検証ラボイノベーション

ラボで回路ボードを検査する男性

半導体/エレクトロニクスラボ検証加速する

「最初」に市場投入するというニーズが高まるにつれ、テクノロジ企業は、製品開発のあらゆる段階を加速させる必要に迫られています。設計やテストの効率が悪いと、リリース日に大きな影響を与える可能性があります。このため、エンジニアリングワークフローの効率化がこれまで以上に重要になります。ツール、人材、プロセスの向上に取り組むことは、コンピュータ、ワイヤレステクノロジ、その他のイノベーション分野における変化の速度に対応するための最も信頼性の高い方法です。

検証ラボのエレクトロニクスエンジニア

半導体検証テストベストィス

回路ボードとチップ

製品開発を加速し、ラボ内外でスマートな解析を可能にするベストプラクティスを紹介します。

ラボで作業するエンジニア

NIの取り組み

検証ラボワークフロー効率し、市場投入まで時間短縮する

イノベーションのスピードは、これまで以上に速くなっています。NIでは、エンジニアリングワークフローおよび検証ワークフローの効率化をサポートする技術的な専門知識の提供に取り組んでいます。オートメーションやデータ解析を可能にするソフトウェアから、拡張性の高いハードウェアソリューションに至るまで、市場の厳しいスケジュールに対応できるようサポートします。

弊社では、ソフトウェア中心の自動化されたアプローチをテストや計測に採用しているお客様が、コストを削減しながら、製品の品質向上と短期間での市場投入を実現しているかどうかを繰り返し確認しています。

Ritu Favre

エ​グ​ゼ​ク​テ​ィ​ブ​バ​イス​プレジデント兼ゼネラルマネージャ、事業部門

NI

ラボ近代どこからでも始めることできます

現在、これまで以上に計測科学の境界が押し広げられています。進化する業界のニーズに対応することは、簡単なことではありません。それぞれの新しいテクノロジは、企業が新しい市場でシェアを獲得するためのビジネスチャンスを生み出すだけでなく、製品の設計やテストの方法も変えてしまいます。5G、モビリティ、デジタルトランスフォーメーションなど、急速な技術の進歩により、最終的には開発期間が短縮され、製品設計に対するソフトウェア中心のアプローチの適用が増えていくことになります。

 

技術革新のスピードが加速する中、製品開発の各段階はかつてないほど重要なものとなっています。また、より大量の特性評価に対するニーズが問題を複雑にしており、「最初」に市場投入することがさらに困難になっています。設計やテストの効率が悪いと、リリース日に大きな影響を与える可能性があります。「最初」に市場投入するという強いプレッシャーと並行して、組織では、新しい設計が登場するたびに、各設計が以前のものよりも複雑になっているという事実にも対処する必要があります。このように複雑さが増すと、多くの場合、より大量の特性評価が必要になります。  

 

設計複雑増し、検証ラボ効率向上求められる

 

比較的「シンプル」なRFフロントエンドモジュールの複雑さが増していく状況を考えてみましょう。10年前の4G RFフロントエンドモジュールの特性評価では、処理する必要があるテストケースの数は100件未満となる場合がありました。各ケースでは、無線帯域、搬送波帯域幅、および波形タイプの異なる組み合わせを使用しました。5Gフロントエンドモジュールに移行すると、テストケースの数はほぼ10倍に増加しました。ただし、製造スケジュールにより、検証や特性評価にかかる時間を10倍に増やすことはできません。どちらかというと、期待できるのは開発期間の短縮です。 

 

実施する必要がある計測の数が増えているだけでなく、計測自体がより複雑になっています。5Gミリ波デバイスの場合、アンテナインパッケージテクノロジを採用することで、ミリ波信号にアクセスするための物理的な接続が不要になります。その結果、多くの5Gミリ波デバイスでは、まったく新しいテスト方法である無線テストが必要となります。  

つまり、これまでよりも短期間かつ低コストでより複雑なデバイスを開発することが、検証エンジニアに求められているのです。多くの場合、弊社と協力している設計、検証、およびテストの各エンジニアは、組織内で競合している優先順位の板挟みになることがあります。テストのキャパシティを2倍または3倍にすることは現実的な選択ではないことが多いため、リソース効率を最大化することが、チップセット、コンポーネント、および新機能の市場投入のスケジュールに対応するための唯一の方法となります。こうした現実が、ラボでのオートメーションソフトウェアの重要性を高めています。これらのツールは、テスト装置の予算を可能な限り節約するための最も効果的な方法の一部です。 

 

 

ソフトウェアオートメーションツールは、リソースを最大限に活用する場合に役立ちますが、組織がより大規模に効率の悪い作業に取り組んでしまう可能性が生じます。たとえば、さまざまな研究開発チームと企業の拠点の間ではサイロ化が発生することが多く、特に大企業では、コラボレーションが制限され、作業の重複が生じる場合があります。ベストプラクティスの共有やチーム間のコミュニケーションを行わないと、大きな機会損失につながります。  

 

テストソフトウェア標準化強み

 

いくつかの作業の重複は常に発生しますが、世界で最も成功している組織では、テスト計測ソフトウェアをグローバルに標準化することで効率を向上させています。弊社が世界中のエンジニアリングラボと交流する中で、共通のソフトウェアフレームワークを採用しているテクノロジ企業では、最終的にエンジニアリング費用を削減し、設計スケジュールを加速できていることがわかりました。たとえば、半導体の世界的リーダーであるNXPは、高度な自動化および標準化技術を半導体の検証に活用し、NIの堅牢なツールを使用して効率を向上させ、市場投入までの時間を短縮しました。繰り返しになりますが、最初に計測を自動化し、次にラボのテストオートメーションソフトウェアを標準化するNXPのような企業では、はるかに効率的な作業が実現されます。ソフトウェアは生産性を向上させることができますが、そのためには拡張性が必要です。

 

標準化された計測フレームワークを実装することで、エンジニアは計測IPを最大限に再利用し、セットアップ時間を短縮することができます。簡単に言えば、これは、検証ラボでのエンジニアリングワークフローの効率化に役立つ、最も影響力のあるアプローチの1つです。トップクラスの組織が効率的に実施していることの1つは、自動テストソフトウェアの開発、保守、および配布を一元化することです。標準化されたソフトウェアによってデバイスの特性評価を迅速に行うことができ、多くの場合、どのソフトウェアエンジニアリングチームが採用しても、計測範囲の拡大が可能になります。お客様の多くは、PythonやC+、LabVIEWなどのさまざまな言語を使用することで、ソフトウェアの標準化に成功しています。 

 

さらに、標準化されたソフトウェアにより、データキャプチャの一貫性も実現できます。この一貫性は、よりスマートなデータ解析の基礎を築くのに役立ちます。今後10年以内に、データ解析ソフトウェアは製品開発ワークフローにおいて、ますます重要な役割を果たすことになるでしょう。現在弊社では、設計プロセスでのシミュレーション結果と特性評価ラボでの計測結果の関連付けに関する課題をすでに確認しています。データ管理/解析ツールの効果的な使用は、製品ライフサイクル管理の次のステップとなります。 

 

データ焦点当てる 

 

迅速な製品開発に対するニーズに合わせて、データ管理/解析ツールを利用することにより、生産性を向上させることが可能となります。現実には、設計の各段階では膨大な量のデータが生成されます。多くの場合、そのようなデータは管理が不十分で、設計プロセス全体で十分に活用されていません。製品の複雑さが世代を重ねるごとに増していく中、データ管理/解析ツールは設計ワークフローにおいてますます重要な要素になっていきます。幸いなことに、人工知能や機械学習などの解析テクノロジでは、急速なイノベーションが続いていることが確認されています。その結果、世界中の組織は、迅速な製品開発を実現するために、これらのツールにますます依存するようになるでしょう。 

 

ただし、このようなスマートな製品管理の理想的な最終状態は、一夜にして実現できるものではありません。検証ラボのモダナイゼーションは進化を続ける旅であり、多くの可能性と道筋に出会います。計測の自動化を始める場合でも、適応性の高いソフトウェアやハードウェアのソリューションを実装する場合でも、すべてのラボには、組織におけるオペレーショナルエクセレンスの次の中心となる可能性があります。どのような変化にもリスクはつきものですが、そのメリットは非常に大きなものになる可能性があります。将来の技術的な課題に対処するには、ラボの近代化が現在のチームにとってどのような意味があるのかを検討することから始めます。ツール、人材、プロセスを強化することが、変化のペースに対応するための唯一の確実な方法です。

 

変化対応する

検証要件の進化とDUTの複雑化により、エンジニアリングチームが市場の厳しいスケジュールに対応することが難しくなっています。オートメーションや標準化などの最新のアプローチをラボに実装することで、新規のコンポーネント、デバイス、テクノロジに関するワークフローの合理化、検証の規模拡大、市場投入までの時間の短縮が可能になります。

ラボ近代するアプローチポストシリコン時代検証加速

回路ボードの詳細図

デバイスの複雑さと市場投入までの時間のプレッシャーの高まりに直面して、企業は検証チームの効率を最大化する方法を模索しています。企業で採用されたラボを近代化するためのアプローチをご覧ください。