DC
通常の2線式の測定では、リード線の抵抗は考慮されていません。そのため、リード線間の電圧降下が発生し、測定に誤差が生じます。特に、低抵抗、低電圧の測定におけるリード線抵抗の影響は顕著です。リモートセンスは、リード抵抗の影響を打ち消すように設計された4線式の測定設定です。リモートセンスでは、一方のリード線ペアで出力電流を流し、もう一方のリード線ペアで検査対象デバイス (DUT) 端子の電圧を直接測定します。これにより、計測器で電圧降下が補正され、測定結果を改善することができます。
オフセット電圧誤差の一般的な原因は接触電位です。これは、異なる温度の2つの異なる金属が互いに接触したときに発生します。これにより熱電対が形成され、測定回路に電圧が生じます。熱起電力による誤差は通常はマイクロボルトの範囲ですが、低電圧、低抵抗の測定ではこれが重要な考慮事項になります。オフセット電圧をなくして測定結果の確度を向上させる方法として、オフセット補正と電流反転の2つがあります。
電磁干渉や寄生キャパシタンスなどのさまざまな原因により、測定システムにノイズが発生することがあります。電磁干渉は、AM/FMラジオ、テレビ、電力線などから発生する可能性があります。寄生キャパシタンスは、帯電した物体が測定回路の近くにあるときに発生します。これは振動ノイズや測定値のオフセットとして現れる可能性があります。測定設定にシールドを追加することで、こうした誤差の発生源が減少し、計測器で測定する信号がよりクリーンになります。
ガードとは測定デバイスのHI端子とLO端子の間に追加される導電層のことであり、HI端子と同じ電位にして駆動されます。シールドは外部の電磁干渉源から保護しますが、ガードはシールドと測定回路の間にリーク電流が流れるのを防ぎます。特に低電流測定ではこれが重要です。また、ガード層によってシールドからの寄生キャパシタンスの影響が減少し、信号の整定時間が改善されます。
計測器で保証されている仕様を達成するためにはキャリブレーションを行うことが必要です。多くの人は外部キャリブレーションに精通しています。外部キャリブレーションでは、時間の経過に伴うドリフトを補正するために対象のデバイスを計測ラボに送ります。しかし、セルフキャリブレーションと呼ばれる別の形式のキャリブレーションも同様に重要であり、デバイスの温度が変化しても計測器の動作が一貫するようになります。ラボの室温を単純に変更したり、動作温度範囲を超えてデバイスをテストしたりすると、測定に大きな影響を与える可能性があります。セルフキャリブレーションにより、測定が毎回正確になります。
技術
DC
このガイドでは、電源管理IC、RFパワーアンプといったICの計測確度と製品品質を向上させる方法を学ぶことができます。前述の5つのベストプラクティスについて詳しく探り、以下のトピックについて学習します。
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