NIが掲げる2030年度コーポレートインパクト戦略では、エンジニアリングのあるべき姿を改め、公平で繁栄する社会を実現し、住みよい地球を作るエンジニアリングを行うための、15の目標と取り組みについて概説しています。こうした目標の中には、現在のパラダイムをはるかに超えた発想が必要となるムーンショット目標もあります。また、目標と取り組みはすべて、利害関係者の優先順位、弊社のビジネスにとって重要となる課題の徹底的な解析、および市場における現状に関する情報に基づいています。2030年までに以下に挙げた目標を達成できるように真摯に取り組み、進行状況を毎年、透明性をもって報告します。
多様性のある包括的な労働力を生み出すことは、NIと社会の両方にとって正しいことです。弊社を構成する従業員は、お客様や、私たちが生活し働く地域社会がもつ多様性を反映したものでなければなりません。異なるバックグラウンドをもつ人々と協力することで、さまざまな意見に耳を傾けることができ、イノベーションが促進されます。また、世界のテクノロジ分野では、2030年までに430万人の労働者が不足すると予測されています。より多様な人材の関心をこの業界に導くことで、この成長に対応すると同時に、高収入の仕事を得る機会を平等に与えることができるようになります。
5―ジェンダー平等を実現しよう、10―人や国の不平等をなくそう
現在の人材パイプラインに基づいて達成しやすい目標を設定するのではなく、ビジネスや社会で必要となることに基づいて、ムーンショット目標に挑んでいます。まだ長い道のりがありますが、この目標に向けた意欲が弊社のイノベーションを後押ししてくれることでしょう。弊社では、さまざまな大学、コミュニティ組織、イベントを対象として採用戦略を進めています。潜在的な偏りを排除するために採用プロセスを再構築します。また、弊社の従業員リソースグループや、多様性/公平性/インクルージョンに関するグループなどの既存のインクルージョンイニシアチブも拡大します。
民族、人種、文化の多様性を世界規模で高めるための取り組みに、真摯に対応します。ただし、2030年の目標では、米国のみを対象として人種の多様性を評価しています。これは、他の多くの国ではデータ収集に法的制約があるためです。米国の人口統計と比較した場合、弊社の従業員では黒人とラテン系1の比率が最も低いため、これらの人種グループからの採用を増やすことを重視します。
リーダーシップに多様性をもたせることで、会社の重要な意思決定にさまざまな経験や視点を反映させることができます。また、さまざまなバックグラウンドをもつすべての従業員にポジティブなロールモデルを提供し、これらの従業員に対してリーダーとなるための道があることを示すことができます。これは、テクノロジ業界では特に重要なことです。多様性のある経営陣をもつ企業は、イノベーションによる収益 (新製品や新サービスによる収益) が平均で19%高くなっています。
5―ジェンダー平等を実現しよう、10―人や国の不平等をなくそう
従業員の多様性の目標と同様に、この目標は達成しやすいものではなく、ビジネスや社会で必要となることに基づいたムーンショット目標です。リーダーシップの多様性を高めるために、弊社では人材採用と育成プログラムを利用して、NIのすべての従業員に公平な昇進の機会を提供します。業績評価のプロセス、リーダーシップ育成プログラム、昇進のパイプラインを監査して、偏りがないかを調べます。また、採用担当者の教育と育成や、従業員の指導を目的としたプログラムを拡充していきます。
NIの経営陣を対象とした民族、人種、文化の多様性を世界規模で高めるための取り組みに、真摯に対応します。ただし、2030年の目標のうち人種的要素については、完全なデータを取得できる米国に焦点を当てています。この目標を達成するために、有色人種の人々*に焦点を当て、米国のマネージャに占める非白人の人種/民族グループの割合が低いことに対処しています。
*米国国勢調査局では、単一人種の非ヒスパニック系白人以外として定義されています。
NIでは、インクルーシブカルチャーは、すべての従業員が歓迎され、評価され、尊重され、意見を聞いてもらうことができる文化として定義されています。さまざまなバックグラウンドをもつすべてのNIの従業員が、ありのままの自分として、安心して作業ができるようにすることが重要です。つまり、アイデンティティや所属を隠さずに、多様な視点を自信を持って共有できるようにするということです。このような安心できる帰属意識は、従業員のウェルビーイング、エンゲージメント、イノベーションを向上させ、さらには最も優秀な人材の関心を引き付け、人材確保にもつながります。
5―ジェンダー平等を実現しよう、10―人や国の不平等をなくそう、16―平和と公正をすべての人に
弊社のカルチャーは、従業員の行動の総体です。包括的な行動を促進するツールやプログラムを開発するために、弊社には、多様性/公平性/インクルージョンに関するクロスファンクショナルなワーキンググループがあります。このワーキンググループは、人材育成や従業員エンゲージメントを含む複数のビジネス機能から構成されています。新しいインクルージョンに関するトレーニングの立ち上げや、従業員リソースグループ (ERG) の拡大などに取り組んでいます。ERGは、プロフェッショナル開発、ネットワーキング、および企業イニシアチブの形成を行う機会をメンバーに提供します。ERGのイベントとプログラムは、NIのすべての従業員の間における議論と理解を深めるものでもあります。
弊社では、毎年実施している従業員エンゲージメント調査から関連する質問を集計した「インクルージョンインデックス」を利用して、NIの従業員の帰属意識を計測します。ベンチマークとして、2020年の調査結果を使用します。結果が100%になることを目指していますが、Newmeasuresの調査によると、計測結果が87%であれば、上位10%の企業に入ることができます。*
*ベンチマークデータには、1,200の組織、150万人の回答者、86か国が含まれています。
社会がますます技術中心になるにつれて、生活のあらゆる場面は、エンジニアの仕事によって形成されていくことでしょう。だからこそ、エンジニアには、ソリューションを提供する人々の多様性を反映させることが重要となるのです。
しかし、過去20年間、エンジニアリングの人材パイプラインはあまり多様化されていません。米国では、工学を専攻する学生の21%、コンピュータサイエンスを専攻する学生の19%のみが女性であり、黒人、ラテン系、ネイティブアメリカンの学生が取得した理工系学士号は全体の22%にすぎません。女性、有色人種、経済的に恵まれていない学生など、エンジニアリングに関する分野での少数派グループに属する学生が、もっと多くSTEM教育を受けられるようにすることが重要です。これにより、業界のイノベーションが促進されるだけでなく、市場の需要に応えることができるようになります。
1―貧困をなくそう、4―質の高い教育をみんなに、10―人や国の不平等をなくそう
金銭的な寄付、製品の寄付、ボランティア活動などを通じ、社会的少数派に属する学生や経済的に恵まれない学生を対象としたSTEM教育の取り組みを支援していきます。弊社ではすでに、世界的なロボット競技会であるFIRST®との長年のパートナーシップを軸にして、社会的少数派に属する学生や十分な教育を受けていない学生たちとの交流を増やすことを重視しています。
過去15年間で、数百万ドル分のNI製品をFIRSTに寄付してきました。2020年には、この先6年間、パートナーシップを更新することをFIRSTに約束しました。また、今後4年間で340万ドルを、社会的少数派に属する学生や経済的に恵まれない学生を対象としたSTEM教育の取り組みに投資することを約束しました。
すべてのNIの従業員が、若者の人生の軌道を変える可能性をもっています。そのため、弊社では従業員に対して、それぞれの地域でSTEM教育の取り組みにボランティアとして参加することを強く推奨しています。学生を指導することは特に重要です。これにより、さまざまなバックグラウンドを持つすべての若者が課題に取り組み、自分の強みを発見する際のロールモデルを実現できるためです。ボランティア活動は、地域社会を支援するだけでなく、チーム内での仲間意識、創造性、エンゲージメントを高める場合にも役立ちます。
1―貧困をなくそう、4―質の高い教育をみんなに、10―人や国の不平等をなくそう
NIの従業員は、次世代のエンジニアや創造的な問題解決に取り組む人たちに還元することに情熱を注いでいます。このことは、毎年恒例のFIRST Robotics Competitionシーズン中に、NIの従業員が世界中の学生チームの指導に何千時間も費やしていることからも明らかです。また、NIの経営陣のメンバーの多くは、STEM関連の非営利団体の役員を務めています。
弊社の新しいボランティアマッチングツールを利用することで、NIの従業員は非営利団体と交流し、指導などのバーチャルな活動に重点を置いて、従業員が持つユニークなスキルを生かすことができます。このツールによって、この目標に向けたボランティア活動の時間を追跡することができます。また、マネージャに対して、各チームでのボランティア活動を促進するよう働きかけます。これは、従業員が新たな能力や視点を身につけるための方法であると考えています。
弊社の成功を支えているのは、従業員です。報酬は競争に基づいて公正に与えられ、同等の業績と成果に対しては同じ額の報酬が与えられるように取り組んでいます。賃金の平等は、従業員の経済的なウェルビーイングを向上させるだけでなく、業界で最も優秀な人材の関心を引き付け、人材確保にも役立ちます。また、家族や地域社会に長期的な波及効果をもたらし、繁栄の促進や貧富の差の解消に役立ちます。
5―ジェンダー平等を実現しよう、10―人や国の不平等をなくそう
この目標に向けて、基準賃金だけでなく、基本給、変動報酬、福利厚生などのトータルリワードの公平性も追求しています。弊社では、数年前から、各部門の職務レベルを標準化し、市場のベンチマークデータを使用して関連する基本給の範囲を決定することで、この試みを始めました。最近、会社と個人の両方の業績に焦点を当てた基準を使用して、競争力が向上するようにインセンティブプランを再設計しました。無意識の偏見をなくすために、基本給を性別ごとに分析してきましたが、現在では、他の人口統計や業績指標を使用してトータルリワードの分析を行っています。
データに基づいた継続的な改善を行い、2030年よりも前にこの目標を達成することを期待しています。進行状況は、従業員とのコミュニケーションや年次のコーポレートインパクトレポートを通じて、透明性をもって共有します。
NIのコアバリュー「Be kind」は、自分にも相手にも優しくなろうという意味です。弊社ではウェルビーイングプログラムに投資しています。これは、NIの従業員が健康で幸せであり、人生のあらゆる面で成功してほしいと願っているからです。これにより、人生がより楽しくなるだけでなく、個人としても会社としても、よりたくましい存在になることができます。総合的なウェルビーイングは、医療費の削減、組織のエンゲージメントレベルの強化、従業員の離職率の低下、業績の向上、そして全体的なビジネスの成功につながります。
3―すべての人に健康と福祉を
包括的な医療/福利厚生プログラム、従業員支援プログラム、ウェルビーイングプログラムなどの取り組みを通じて、従業員のウェルビーイングを促進しています。これらのプログラムに基づいて、2020年には、NIの全体的なウェルビーイングの柱 (地域社会、感情、身体、財務、目的) に焦点を当てた世界的なウェルビーイング戦略の策定を開始しました。
また、戦略の中心となる要素を立ち上げました。それは、すべてのウェルビーイングプログラムのオンラインハブとなる、NI Thriveです。これにより、NIの従業員は自己評価を行い、カスタマイズされた改善プログラムやコンテンツを受け取り、バーチャルなウェルビーイングチャレンジに参加することができます。また、コミュニケーションを標準化し、NIサイトの優れた取り組みを世界中の全従業員に拡大することもできます。
献身的な従業員 (自分の仕事に対して深い関わりをもち、熱心で、全力を注いでいる従業員) は、NIにとって最も価値のある資産です。Gallup社の調査によると、エンゲージメントの高いチームは生産性が17%高く、離職率が24%低いといいます。仕事へのエンゲージメントを高めることは、NIが優秀な人材の関心を引き付け、人材確保を行い、ビジネス成果を上げる場合に役立つだけでなく、すべての従業員の幸福度とウェルビーイングが向上することにつながります。
8―働きがいも経済成長も
NIの従業員に有意義な機会を提供し、インクルージョン、エンゲージメント、ウェルビーイングを促進する協調的な企業風土を実現するよう努めています。方向性を決めるのはNIのリーダーシップですが、エンゲージメントを向上させる役割を担うのはすべての従業員です。弊社は包括的なリスニング戦略に従って、重要なトピックに関する従業員のフィードバックを収集し、マネージャは洞察力を使って問題に対処し、チーム内のエンゲージメントを向上させます。このリスニングプロセスを継続すると同時に、エンゲージメントを向上させための新たな機会を模索します。
Newmeasuresの調査によると、目標である従業員エンゲージメント92%を達成すれば、上位10%の企業に入ることができます。*この目標に向けた進行状況は、毎年実施している従業員エンゲージメント調査を使用して評価します。また、その結果を分析することで、傾向や課題、成功事例を明確にします。
多様で公平な調達ができることは、社会にとって良いことです。中小企業や少数派の企業の経済成長は、地域社会全体に波及効果をもたらします。また、革新的で迅速に機能するサプライチェーンを維持することは、弊社のビジネスにも役立ちます。これにより、お客様のニーズや市場の動向にすばやく対応することができます。
8―働きがいも経済成長も、10―人や国の不平等をなくそう
すべてのサプライヤ候補は公正かつ公平に評価されています。今後もこのような評価を続け、さらに多くのさまざまな中小企業が弊社のビジネスチャンスに応募できるように努めていきます。この目標を達成するために、弊社では、女性、有色人種、少数民族、退役軍人、LGBTQ+の人々、または障がいをもつ人々が所有する企業を、多様な企業と定義しています。
こうしたカテゴリにおける支出を検証し、データ追跡やレポートのための堅牢なシステムを構築し、多様なサプライヤを増やすための戦略を策定しています。また、支援団体と協力して、多様なサプライヤとのネットワークを構築し、志を同じくする企業同士でベストプラクティスを共有します。
社会還元はNIの企業風土の中心的な要素であり、「Be kind」というコアバリューによって支えられています。 創業以来、助成金と製品の寄付によって、世界中の慈善団体や新進気鋭のイノベータたちによる生活向上活動を支援してきました。NIの従業員は数え切れないほどの時間を地域社会でのボランティア活動に費やすことで、この支援による効果を倍増させています。現在、この取り組みをさらに進めており、NIが掲げる2+1の誓約に基づいて慈善活動を強化しています。
8―働きがいも経済成長も、10―人や国の不平等をなくそう
より公平で豊かな社会を築くために、非営利団体との長期的なパートナーシップを継続するとともに、寄付を行うための新しい機会を模索していきます。たとえば、2020年には、Austin Habitat for Humanityが実施している手ごろな価格の住宅開発に50万ドルのインパクト投資を融資したり、Notley Tideの米国における人種的正義運動を支援したり、Kivaと提携して世界中でマイクロローンプログラムを実施したりしました。NIの従業員に対しては、関心のある活動があればボランティアとして参加することを奨励しています。また、非営利団体のパートナーと一緒にボランティア活動を行うための定期的なイベントや機会を提供しています。
イノベータの手によって作られたNIの製品は、地球の変革を推進する最大の資産の1つです。たとえば、お客様の多くは、再生可能エネルギーをより効率的に、かつ手頃な価格で利用できるようにしています。弊社では、より多くの組織がグリーンテクノロジソリューションに取り組むための機会を提供したいと考えています。グリーンテクノロジを開発している組織を対象に製品の割引や寄付を行うという目標は、環境に対する取り組みにボランティア活動で参加するという目標と同様に、NIが掲げる2+1の誓約の一部でもあります。
7―エネルギーをみんなに そしてクリーンに、11―住み続けられるまちづくりを、13―気候変動に具体的な対策を
NIは新しい製品寄付制度 (現在はパイロットフェーズ) を通じて、経済的資格のある非営利団体や学術団体、ベネフィットコーポレーション、社会的企業など、環境の持続可能性を促進する技術を開発している組織を対象に、NI製品の割引または寄付を行います。
これは、以前のPlanet NI寄付制度に基づいています。この寄付制度により、企業は再生可能エネルギーのスマートマイクログリッドや、インド農村部での食糧廃棄物の発生を防ぐラピッドミルクチラーなど、社会や環境に影響を与える技術を開発することができました。
NIの従業員は環境問題に情熱を注いでおり、弊社では、生物多様性のコミュニティ活動に、NIが主催するイベントを通じて、または従業員が個人的にボランティアとして参加することを奨励します。NI Green Team (各拠点で持続可能性に対する取り組みを推進し、ビーチ清掃や植樹などのボランティアイベントを企画するNIの従業員) や、Urban Rootsなどの非営利団体とのパートナーシップを活用します。
廃棄物ゼロの達成とは、リサイクル、堆肥化、または材料の再利用を通じて、施設の廃棄物の少なくとも90%をゴミ処理場から転用することと定義されています。
廃棄物ゼロへの取り組みにより、運用コストを削減しながら、地球のエコシステムを守ることができます。コーヒーカップからコンピュータまで、私たちが使うすべての製品は、原材料の採取、製造、梱包と輸送、使用、廃棄など、ライフサイクルの各段階で有限の天然資源を消費しています。製品の再利用やリサイクルによって、これらの原材料を経済的に循環させ、新しい原材料の採取を減らすことができます。
12―つくる責任、つかう責任
NIが所有する施設で現在の廃棄物の転用率を計測し、廃棄物監査を実施して、廃棄物の流れにどのような種類の原材料が含まれているかを把握します。また、調達から従業員教育、廃棄物処理契約に至るまで、廃棄物管理システムのあらゆる側面を評価し、改善点を洗い出します。
廃棄物ゼロを達成するには、従業員の関与が不可欠です。この目標を達成するために、NIのすべての従業員に対して、再利用可能な製品への切り替え、地域のGreen Teamへの参加、オースティンにある弊社カフェテリアにおける新しい堆肥化プログラムなどの解決策への取り組みなど、日々効果をもたらす具体的な方法が提示されます。
世界の年間温室効果ガス排出量の約40%は、建物が原因となっています。原材料の採取、建物の建設、建物の運用には、多くのエネルギーと水が使用され、大量の廃棄物が発生します。
NIの建物が環境に与える影響を減らすことは、全体的なフットプリントを削減し、建物周辺の生物多様性を保護し、気候変動を緩和するための重要なステップです。また、エネルギー効率と節水対策により、光熱費を大幅に削減し、その他の運用コストも削減することができます。
12―つくる責任、つかう責任、13―気候変動に具体的な対策を、15―陸の豊かさも守ろう
今後10年間で新しい施設を建設し、既存の建物を改修する際には、すべてのプロジェクトでLEED (Leadership in Energy and Environmental Design) およびWELLの基準に従います。LEEDは、世界で最も広く利用されているグリーンビルディング評価システムです。建築材料、用地選定、エネルギー効率、節水対策、室内空気質などについて、厳しい要件が定められています。
弊社でも、これらの基準に従った設計を行った経験があります。LEED認定を受けたNIの施設は3つあります (ハンガリーに2つ、マレーシアに1つ)。またハンガリーには、LEED基準に沿って建設された施設が他に2つあります。WELL Building Standardは新しい建築基準であり、人々の健康とウェルネスを向上させる方法で空間を設計することに焦点を当てています。
弊社のような多国籍企業が温室効果ガスの排出量を削減すればするほど、干ばつ、洪水、火災などの気候関連のリスクを軽減することができます。このような気候関連のリスクは、地域社会に壊滅的な打撃を与え、NI、サプライヤ、およびお客様のビジネスを混乱させる可能性があります。気候変動を緩和することは、自然界における生命維持システムである地球の生物多様性を守ることにもつながります。
40年間、弊社では、環境フットプリントを最小限に抑え、生物多様性と天然資源を保護するための取り組みを一貫して行ってきました。温室効果ガスの排出量を削減するための活動を拡大すると、エネルギーの使用量が減り、光熱費やその他の運用コストを削減することができます。再生可能エネルギーのコストが急速に低下しているため、排出量をさらに削減するために、再生可能エネルギーに対して引き続き投資を行っていきます。
7―エネルギーをみんなに そしてクリーンに、12―つくる責任、つかう責任、13―気候変動に具体的な対策を、15―陸の豊かさも守ろう
弊社の目標は、温室効果ガス (GHG) の正味の排出量をゼロにするような方法で事業を運営することです。 これを実現するには、弊社独自のスコープ1とスコープ2の排出量を可能な限り削減し、残余排出量については、認定された自然ベースのオフセットを介して中和を実施する必要があります。
こうした目標を達成するために、絶対排出量削減を軌道に乗せるための中間目標を設定する予定です。また、スコープ3の排出量に取り組むことの重要性も認識しており、製品のエネルギー消費量の削減に特に注意を払いながら、弊社のバリューチェーン全体でこれらの排出量を削減するための最適な方法を確立することに取り組んでいます。これにより、お客様の利益につながると考えています。
完全に排除できない排出量を中和するために、認定された自然ベースのオフセットに投資することに加えて、生物多様性を保護し、被害を受けた生息地を回復し、気候正義を促進する他のプロジェクトを支援します。
産業革命以降、世界は「取り、作り、捨てる」という直線的な経済モデルに従ってきました。人類は、地中から原材料を採取し、製品を製造し、不要になったら廃棄してしまいます。地球上の限りある資源を78億人の人々が奪い合っている現状では、このモデルを維持することはできません。NIでは、循環型経済モデルへの移行が必要であると考えています。循環型経済モデルでは、住みよい地球と経済的な繁栄を維持できるように、廃棄や汚染を設計し、製品や材料を使い続け、自然生態系を再生します。
12―つくる責任、つかう責任
循環型設計は、Engineer Ambitiously™ (果敢なエンジニアリング) につながるエキサイティングな機会だと考えています。循環型設計は、弊社の環境フットプリントを軽減し、お客様側での環境フットプリントの軽減にも役立つもう1つの方法です。弊社製品のモジュール式設計と長期ライフサイクルにより、すでに廃棄物の削減は実現されており、製品包装も大幅に削減されています。
設計、製造、お客様の使用、そして廃棄に至るまでの間、弊社製品が環境に与える影響を継続して評価していきます。持続可能な原材料をコスト効率の良い方法で選択し、原材料を再利用し、製品の性能を最大限に引き出しながらリサイクル性やエネルギー効率を向上させる機会を増やしていきたいと考えています。