LabVIEWでは、文字列の終端文字として3種類の定数が用意されています。それらは、復帰、改行、復帰改行です。これら終端文字定数のいずれか1つを文字列に付加すると、見た目はどれも同じ結果、つまり改行となります。しかし、オペレーティングシステムレベルでの解釈は、終端文字ごとに異なります。このドキュメントでは、このような終端文字間の差異と、LabVIEWでの表示について解説します。
各終端文字の表記は、使用する文字列形式によって異なります。
以下のセクションでは、それぞれの文字をコード表示、ASCII、16進数、LabVIEWによる視覚化で表記しています。また、各文字の説明にLabVIEWスニペットが付属します。そこにある終端文字定数は、標準表示やコード表示用の文字列出力を作成する場合に使用します。
各スニペットには、標準表示で終端文字を入力した場合と同じ結果、すなわち改行が示されています。ただし、'\'コード表示 (つまり、コンピュータが読み取ることのできる出力) を見ると、使用する終端文字によって出力が異なることがわかります。
メモ: どの終端文字を使うかは、使用する場面やお使いのデバイスが利用する通信プロトコルによって異なります。計測器のマニュアルを参照し、使用すべき終端文字および形式について判断してください。
復帰 (CR) 文字は、次の行に移動せずにカーソルを行頭へ移動します。この文字は、コモドールおよび初期のMacintoshオペレーティングシステム (Mac OS 9以前) で改行文字として使用されています。
コード表示 | ASCII 10進数 | 16進数 | LabVIEWグリフ |
---|---|---|---|
\r | 13 | 0x0D | ![]() |
改行 (LF) 文字は、カーソルを行頭に戻さずに次の行に移動します。この文字は、Unixベースのシステム (Linux、macOS X、Androidなど) において改行文字として使用されます。
コード表示 | ASCII 10進数 | 16進数 | LabVIEWグリフ |
---|---|---|---|
¥n | 10 | 0x0A |
復帰改行 (EOL) 文字は、CRとLFという2つのASCII文字の組み合わせです。復帰改行文字は、カーソルを次の行に移動するとともに、行頭に戻します。これは、ほとんどのタイピングソフトウェアのEnterキーに相当します。このEOL文字は、Microsoft WindowsやSymbian OSなどを含む、Unixをベースとしないオペレーティングシステムの改行文字として使用されています。
コード表示 | ASCII 10進数 | 16進数 | LabVIEWグリフ |
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\r\n | 13 10 | 0x0D0A |
終端文字の選択は、計測器との通信にとって重要です。その理由は、デバイスごとに独自の通信プロトコルを採用しているからです。LabVIEW標準の文字定数を使用する場合でも、テキストベースのコマンドを送信する場合でも、これらとは別に、デバイスが必要とする通信プロトコルと終端文字を考慮することが重要です。