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このドキュメントでは、NIデジタルマルチメータ (DMM) を使用して正確な抵抗測定を行うためのヒントおよびテクニックを紹介します。もし、NIデジタルマルチメータ (DMM) の示す結果が予想外であったり、不正確、または異常である場合は、本稿に記載されているベストプラクティスに従って計測されているかどうかを確認してください。
NI DMMに使用するワイヤ構成は、ターゲット測定によって異なります。ターゲット測定の値が100 kΩを超える場合は、2線構成を使用します。ターゲット測定の値が100 kΩ未満の場合は、4線構成を使用します。
2線式の測定方法は、もっともシンプルで簡単な方法であるため、広く使用されています。2線式では、100 kΩを超える抵抗を正確かつ比較的容易に測定できます。
100 kΩ未満の抵抗を高精度で測定するには、4線式の方が2線式より信頼性が高く、便利です。4線構成には4線式スイッチが必要なため、配線が複雑になるという短所はありますが、測定の確度が向上するため、システムの複雑性要件との兼ね合いになります。
オフセット補正抵抗は、抵抗テストシステム内で発生する接触電位やオフセット電圧を除去することを目的としたNI-DMMの機能です。オフセット補正抵抗は、2線式と4線式のいずれの抵抗にも適用されます。
オフセットヌルは、測定パスで現在の読み取り値を測定し、その値を以降に集録する値から差し引く機能です。
システムの抵抗を測定する場合、ケーブル抵抗の影響を考慮に入れることが重要になります。また、複数抵抗のスキャンとシステムケーブル間の相互作用が時間依存の問題を招く可能性があることにも注意してください。
高抵抗を測定するときには、静電ノイズの増大が大きな問題となります。100 kΩを超える抵抗を測定するときにノイズ増大の問題を防止するには、適切なシールドを施すことが重要となります。
見落とされがちなノイズ源の1つが、ソースノイズです。理想的ではない抵抗によって生成される内部ノイズは、熱雑音と呼ばれます。10 MΩ以上の抵抗を正確に測定するためには、検査対象抵抗のシールドを含め、適切なシールドを施す必要があります。
下の表は、帯域幅を10 Hz (アパーチャ遅延100ミリ秒とほぼ同等) とした場合のMΩレンジ抵抗の熱雑音をppm単位の値で示したものです。
抵抗値R | ppm単位で示した熱雑音 (帯域幅10 Hz)、p-p1 |
---|---|
10 MΩ | 1 ppm |
30 MΩ | 5 ppm |
100 MΩ | 25 ppm |
300 MΩ | 140 ppm |
1 GΩ | 770 ppm |
1その抵抗 (Ω) 測定における最良のレンジでの抵抗の熱雑音による「理想的」なノイズを表します。実際の熱雑音は、環境やシールド不良などが原因となり、示された値より大きくなる場合があります。