この記事は、NIの「測定の基礎知識」シリーズの一部です。このシリーズの各記事では、理論や実用的な例を通して一般的な計測アプリケーションに関する特定のトピックを解説します。この記事では、電源をマトリクススイッチまたはマルチプレクサスイッチとともに使用する際の正しい使用方法について説明します。
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電源を接続する前に、スイッチモジュールの電流仕様とリレー接続タイプを理解することが重要です。通常のスイッチモジュールの最大電流仕様は、最大許容電流と最大スイッチ電流に分けられます。スイッチング電流とは、スイッチの接触と解放の切り替えに伴ってスイッチを流れる最大定格電流です。アクティブ電流を切り替えることによって、メカニカルリレーの接点が破損する原因となるアーク放電が起こります。許容電流とは、以前に閉じたリレーが流すことのできる電流のことです。
スイッチモジュールのリレー接続タイプは、Break Before Make (BBM) とMake-Before-Break (MBB) のどちらかです。MBBスイッチは、電流信号パスに割り込みが生じることがないため、最適なリレータイプです。ただし、BBMリレータイプでコールドスイッチングを行うことで、スイッチング電流によって発生する過渡電流を防ぐことができます。コールドスイッチングとは、電源電圧および電流を印加する前にリレー接点を閉じ、接点を開く前に電源電圧および電流を除去する処理です。
単一の電源をマルチプレクサスイッチまたはマトリクススイッチに接続すると、複数の検査対象デバイス (DUT) に電力を供給する上で高い費用対効果が得られます。使用する電源を選択する前に、その用途に必要な合計電流出力の要件を決定する必要があります。合計電流出力は、各DUTの電流要件と、同時に電力を供給するDUTの合計数を乗算して求めることができます。
例:
図1.マルチプレクサの5つのチャンネル間で電流を共有
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