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ON Semiconductor社、NI半導体テストシステムによりテストプロセス高速化

ON Semiconductor Belgium、Gerd Van den Branden

「NI PXISTSプラットフォーム使用て、ハイエンドイメージセンサ完全自動テスト装置 (ATE) ソリューション開発しました。これにより、かつてないテスト性能実現し、将来ニーズ柔軟対応できるようなりした」

- ON Semiconductor Belgium、Gerd Van den Branden

課題:

ON Semiconductorの新世代イメージセンサのウエハソートと最終テストを可能にする、ハイエンドで拡張性と費用対効果に優れたミックスドシグナル自動テスト装置 (ATE) 製造テスタを開発する。

ソリューション:

STS T4システムのテストヘッドの概念をカスタマイズし、ON Semiconductorの全製品ポートフォリオのイメージセンサテストの要件を満たすようにする (このソリューションは、社内で「Pretty Image Sensor Tester from ON Semiconductor (PISTONテスター)」と呼ばれています)。

ON Semiconductorは、エネルギー効率に優れたエレクトロニクス製品向けのシリコンソリューションを提供する世界有数のサプライヤです。メヘレンにある拠点では、映画、宇宙、産業、医療など、幅広い業界向けにハイエンドのイメージセンサを開発しています。メガピクセルレベルの解像度で高いフレームレート (キロヘルツの範囲) を提供するCMOSイメージセンサを開発しています。また、これらのセンサは、高解像度と、パラレルおよびシリアルの高速デジタル出力を特徴としています。当社の品質基準を満たすには、センサに刺激を与え、静的および動的なパラメトリックテスト機能と大規模な画像処理能力を組み合わせて、膨大なデータレートを処理できる高性能プラットフォームが必要でした。さらに、将来の製品要件の変化に応じて拡張できるテストシステムが必要でした。

 

当時、市場で入手可能なテスタでは、大幅な変更を加えずにこれらの要件を満たすことができないという結論に達しました。すべてを自社で実施する体制から脱却するために、テストや計測の市場を調査し、NIに提案を依頼しました。当社は、複数のカスタム設計されたFPGAボードを使用した独自のテスト環境で特性評価を行っていました。このソリューションには、データストリーミングとフルフレームレートの取得によってテスト時間が大幅に増加するという大きな欠点がありました。PXI Expressプラットフォームは、これらの課題の一部を解決する上で有望に思われましたが、このシステムでは当社のチップから生成される大量のデータスループットを処理できませんでした。一方、PXI Expressプラットフォームはオープンかつモジュール式であるため、他社製のモジュールを組み込んだり、カスタムモジュールを開発したりできます。つまり、複数の分野の長所を組み合わせてハイブリッドなソリューションを構築できるということです。

 

既存市販製品連携

NIのエンジニアは、NIが半導体テストシステム (STS) を開発中であることを明かすとともに、製造テスタの設計の一部を開示してくれました。特定の技術要件を調べたところ、STS T4システムは当社のアプリケーションを念頭に置いて設計されたものではないにもかかわらず、NIはNIのパートナー企業であるSisu Devices社と協力して、このシステムのカスタマイズを支援してくれました。構想は、すべての新製品をテストできる拡張性の高いテスタを開発することでした。NIとSisu Devices社が当社の基準を満たすために協力してくれたのは非常に素晴らしいことでした。

 

NIのシステムエンジニアおよびSisu Devices社の協力のもと、当社は可能な限り既製のコンポーネントを使用し、必要に応じてカスタム設計を行い、ハイブリッドなテストソリューションを開発しました。

 

PISTONテスタの機械設計と熱管理設計については、Sisu Devices社が支援してくれました。 イメージセンサテスト用にシステムを最適化するために、STS T4の基本設計に複数のカスタマイズを施しました。NIのシステムエンジニアは、カスタムのPXI Expressモジュールやシステムのタイミング同期など、当社のさまざまな質問に対応してくれました。

 

NI PXI/PXI Expressモジュール式計測器、自社で開発したPXI Expressタイミングエンジン、フレームグラバ、同期モジュールを組み合わせることで、コスト、帯域幅、スループット、構成のしやすさなどの面で、市販のテストシステムを上回るシステムを開発することに成功しました。PISTONテスタは、検査対象デバイス (DUT) の全680本のI/Oピンに対して最大1.2 Gbpsの速度でピンごとにテストを行う機能、-2 V~6.5 Vの範囲で構成可能なI/O規格、24ビット確度の複数のアナログデータチャンネル、-40~125℃のテスト温度範囲に対応する制御機能、特性評価結果との100%の相関性などを実現しています。

 

稼働成果

PISTONテスタの本稼働を開始し、大きな成果が得られています。すべての製品ポートフォリオに対して、妥協することなくテストを行えるようになっただけでなく、I/O数と画像転送帯域幅の向上により、テスト時間が短縮され、性能も向上しています。詳細については、図1を参照してください。

 

 

 

まとめ

PISTONテスタは製造現場で1年以上使用され、優れた結果をもたらしています。PISTONテスタの導入により、その導入から約1年以内に、ハードウェアと開発に要したコストを完全に回収することができました。NIのオープンなNI PXI/PXI Expressプラットフォームとモジュール式計測器を基盤に、自社で開発したPISTONタイミングエンジン、PXI Expressフレームグラバ、同期モジュールを組み合わせることで、コスト、帯域幅、スループット、柔軟性の面で、現在入手可能な市販のテスト装置よりも優れた製品テスタを開発することができました。これらの素晴らしい成果を踏まえ、今後のPISTONテスタの展開においても、さらなる成功を収められると確信しています。

 

 

 

作成者​情報:

Gerd Van den Branden
ON Semiconductor Belgium
Schaliënhoevdreef 20b, 2800 Mechelen, BE
Belgium
電話: +32 (0)15 44 63 33
gerd.vandenbranden@onsemi.com

図1: 新しいテストシステムでは、旧世代と比較して性能が大幅に向上
図2: キャリブレーションボードを取り付けたPISTONテスタ (クリーンルーム内)
図3: 本稼働中のPISTON半導体テストシステム