パナソニック社、LabVIEWPXIノートPC品質向上

Takeuti Isao、電子機器部門、プラント生産エンジニアリングチーム主任エンジニア

パナソニック社向けNI製品

「パナソニックNI製品決め手は、すべて1まとめ収容するエンロージャ、組み合わせ自由モジュール、ニーズ合わせ簡単機能追加できるというオプション、直感グラフィカルインタフェース持つプログラム開発できる機能といったした。」

- Takeuti Isao、電子機器部門、プラント生産エンジニアリングチーム主任エンジニア

課題:

パナソニック社の新製品タフブック (ノートPC) のテスト時間を削減し、製造工場から排出される二酸化炭素と消費電力を減少させる。

ソリューション:

NIのソフトウェアおよびハードウェアを使用し、良質なテスト結果を出しつつも、テスト開発時間と環境への影響を減らせる統合型テストシステムを構築する。

当社の人気製品タフブックPCの基準をお客様の期待に沿うように上げていくことが、品質と使いやすさに対するコミットメントを維持することであり、国内生産と回路基板組み立ての一貫した実装を守っていくことだと考えています。

 

当社は、お客様のニーズに基づき、新しいモデルのノートPCと機能をすばやく市場に出すことに注力しているため、新製品に対応できるよう、テストシステムにも常に変更を加えていく必要があります。また、モバイルユースに向け、バッテリ寿命を延ばしたり、軽量化したりするような改良を継続して加えています。特に、タフブックは、フィールドワークのアプリケーションに適しており、約1.8メートルの高さから落下させても耐えられるような堅牢性と、激しい衝撃と振動に対する耐性を備えています。通常のモバイルPCよりもはるかに広い動作温度範囲 (140°F以上、-20°F以下) を備えており、高高度かつ高気圧下でも機能します。最近、医療産業向けに開発したモバイルタブレットPCは、アルコール消毒で清潔に保つことができます。当社は常に耐久性に優れた新しい素材の採用を模索しています。

 

パナソニック社ではノートPCの新しいモデルを休暇シーズンごとに発表しています。異なるモデルの開発と製造を並行して行っているため、製造の最終段階でミスが見つかると、開発中の複数のモデルの進行が中断されることが多くなります。当社は国内生産を行っているため、開発、製造、販売、サポートの問題には迅速な対応が可能です。

 

従来検査システムデメリット

従来のテストシステムは、プリント基板 (PCB) の検査において、個々のパラメータを別々のスタンドアロン計測器にマッピングしていました。したがって、新しい機能を開発する度、新しいスタンドアロン計測器が必要になりました。この手法は、大変時間がかかるうえ、開発労力を多大に必要とします。計測器の台数と、環境に与える負荷が増えるためです。

 

製造プロセスにおいて調査を行うことで、製品の効率と精度をテストすることができ、開発時間内の潜在的なミスとスパイクを減らすことができます。つまり、全体として目指すところは、品質の向上と、ユニットあたりの製造時間とコストの削減なのです。

 

NITestStand、LabVIEW、PXIベースした新しいテストシステム

2007年、NIは、当社の現在と将来のニーズを満たし、検査の品質を向上する自動テストシステムを提案しました。そこで、当社は、NIのTestStandLabVIEWPXIモジュール式計測器をベースとしたソフトウェア定義テストシステムを開発しました。この新しいシステムで、開発時間は短縮され、製品検査に対するきめ細かい対応が可能になりました。これまで、当社のハードウェアのオペレータとソフトウェア開発プログラムは分断されていました。しかし、LabVIEWは最低限のプログラミング技術しか必要としないため、ハードウェアオペレータはプログラムをすぐさま理解して、簡単に扱えるようになり、業員のトレーニング費用を削減することができました。

 

パナソニック社がNI製品を選んだ決め手は、すべてを1つにまとめて収容するエンクロージャ、組み合わせ自由なモジュール、ニーズに合わせて簡単に機能を追加できるというオプション、直感的なグラフィカルインタフェースを持つプログラムを開発できる機能といった点でした。NI製品を使用することで、単純なテストでも複雑なテストでも、常に速やかなオペレーションが可能になり、検査中に見つかったエラーが簡単に解消できるようになりました。

 

LabVIEWとNIのPXIモジュール式計測器を採用したことで、各計測器の機能とプログラミングを理解し、検査の精度を上げ、統合性に優れたハードウェアとソフトウェアを使用してシステムを構築し、検査プロセスの信頼性と安定性のレベルを向上できました。効率とスケーラビリティの点から見た自動テストシステムのコストは、他企業の製品コストおよび性能のベンチマークと比較すると、開発の総所有コストの削減に貢献していると言えます。

 

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Takeuti Isao
電子機器部門、プラント生産エンジニアリングチーム主任エンジニア