NI ATE基本コンフィギュレーションが提供するコアの機械部品、電力供給、安全確保に関わる装備を使用して自動テストシステムを構築します。 これらのシステムは、設計とドキュメント作成を簡素化するために標準化された基本コンポーネントに最適なバランスをもたらし、PXI、NI CompactDAQ、およびその他の計測器に対応する柔軟なレイアウトを実現します。
ATE基本コンフィギュレーションなら、自動テストシステムのシステム設計がスピードアップするだけでなく、ハードウェア統合に関わる負担やリスクを軽減でき、さらに設備導入までの期間を短縮することができます。すべてのATE基本コンフィギュレーションラックには、統合型配電、冷却、およびラック制御ユニット (RCU) が組み込まれています。これらのシステムの機械的装備および電源プロファイルは、拡張性を備えています。そのため、基本的な設計の検証テスト用ベンチから、世界各地へデプロイする高電力/高信頼性テスト設備の構築まで、さまざまなアプリケーションに対応できます。
図1:ATE基本コンフィギュレーションは、よりスマートな自動テストシステムを構築するために必要な計測器、機械部品、安全確保、電力供給に関わる装備を一括提供する
ATE基本コンフィギュレーションは、テストオペレータにとって使いやすく、シンプルで、かつ世界各地のテスト拠点に導入されることを前提に設計された19インチラックをベースにしています。各モデルの主な仕様を表1に示します。
モデル | 高さ (キャスターを含む) | 幅 | 奥行き | 最大静荷重 | キャスターのサポート |
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15U | 31.148 in.(892.76 mm) | 26.5 in.(673.1 mm) | 33.46 in.(850 mm) | 1,200 lb.(544 kg) |
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38U | 75.398 in. (1915.1 mm) | 26.5 in.(673.1 mm) | 33.46 in.(850 mm) | 1,200 lb.(544 kg) |
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44U | 85.922 in.(2182.4 mm) | 26.5 in.(673.1 mm) | 33.46 in.(850 mm) | 1,200 lb.(544 kg) |
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表1: 主な機械特性
各ATE基本コンフィギュレーションには、異なるサイズの機器を簡単に取り付けられるように、3セットのマウントレール (m6または10~32スレッド) が搭載されており、柔軟な熱管理を可能にします。取り付け奥行きの合計は31.5インチ (800 mm)。中央マウントレールはオプションで、設置位置の変更が可能です。
図2: 取り外し可能な側壁、アクセス可能な背面ドア、ヒンジ付きマウントパネルにより、ATE基本コンフィギュレーションラックは保守が簡単
ラックの前面から見て左側の2U幅の縦スペースに、すべての電源入力および配電コンポーネントが取り付けられています。側面スペースに取り付けられたすべての装置は、保守性を高めるためにスイングパネルに取り付けられています。ドアと側面パネルは取り外し可能で、アクセスを容易にします。側面パネルには使用中に開かないようトリップ機構が備わっています。
ATE基本コンフィギュレーションは、保守作業が簡単な6個の4インチファンから構成されるトップファンキットを備えています。ファンの速度はRCUで制御できます。速度は可変で、内部の熱負荷が大きい場合は高く設定でき、周囲環境が穏やかな場合は騒音を抑えるために低く設定できます。ファンは配電ユニットにあらかじめ配線されています。
38Uおよび44Uラックは、背面ドアの下部にある吸気口からラック背面下部の空気を取り込み、ラック上部から排気します。38Uおよび44Uラック構成では、最大11 kWまで排気できます。DUTの上部設置を想定した15Uラックは、ラックの前面下部から空気を取り込み、ラックの背面上部から排気することで、ラック全体の通気を最適化します。15Uラックは、最大3.6 kWまで対応します。
すべてのATE基本コンフィギュレーションには、便利な緊急電源遮断ボタン、チップ安全機能、過熱保護機能などの安全機能が備わっています。すべてのラックはIEC/EN 61010-1規格に適合し、認証済みです。 コンポーネントレベルの安全機能については、ユーザマニュアルをご確認ください。
EMOプッシュボタンは、オペレータまたは検査対象デバイスにとって危険が生じたとき、システムをシャットダウンするために使用します。EMOスイッチは電源入力パネル (PEP) にあらかじめ配線されており、EMOボタンを押すとPEP内のスイッチがACおよびDC PDUへの電源を切断します。RCUの電源が入ったままで、状態監視およびログ情報のために通信を維持します。
図3:緊急電源遮断 (EMO)
アプリケーションの要件に応じて計測器を設置し、アクセサリを追加するなど、ATE基本コンフィギュレーションをベースにして構築するシステムはどれも完全にカスタマイズ可能です。したがって、工場内部での搬送を念頭に置いた、平衡と安定性を保つようなシステムレイアウトの設計が難しい場合もあります。したがって、すべてのATE基本コンフィギュレーションのバランスは、システム完成時点での最終構成に基づいて評価されます。その上で、電気機器の安全性国際規格IEC/EC 61010の傾斜/引張りテストに合格するよう適宜、スチール製バラストをラック基底部 (マウントスペースの下) に追加します。
すべてのATE基本コンフィギュレーションラックには、Windows 10でサポートされているC# APIを備えたラック制御ユニット (RCU) があります。RCUは、稼働時間の確保、監視、およびレポート作成に使用できます。また、起動およびシャットダウンシーケンスなどの重要な制御機能を有効にします。
主要な機能と特徴:
図4:右上隅にラックマウント制御ユニットを取り付けた15U ATE基本コンフィギュレーション、RCUはすべてのサイズのATE基本コンフィギュレーションに付属
すべてのラックには、構成可能な前面および背面I/Oパネルがあります。最低限、これには、前面パネルの緊急電源遮断 (EMO) ボタン、ラック電源ボタン、ステータスインジケータ、および背面パネルのイーサネットポートが含まれます。I/Oパネルには、後部システムサーキットブレーカ、後部EMO、前面イーサネット、IEC 60309電源入力コネクタ、高電流システム用の配線接続、統合型4ポートUSB 2.0ハブ、GFCI付き外部C13電源も装備できます。これには、GPIB、RS232、空気圧システムなど、標準的なテスト要件に対応するアップグレードも含まれます。
ATE基本コンフィギュレーションは側面スペースに取り付けられたPEPを備えており、この設計によってテストオペレータが触れることのできる接続部から内部配線を明確に分離し、安全性と保守性を高めています。各ラックには、ラック内のすべての機器を接地するために、上部から下部まで伸びる垂直接地バスバーが備えられています。このバスバーは、電源入力パネルのメイン接地ポートに接続されています。電源入力パネルには、回路保護、過渡電圧抑圧、および入力電源のRFノイズを軽減するためのEMIフィルタも装備されています。
図5: PEPは、ATE基本コンフィギュレーションの安全性と保守性を高める
PEPには、システムの電源に応じて6つのバージョンがあります。
選択ガイド | 電力 | 位相 | 電流定格 | 分岐定格 | 電圧定格 | 入力接続 | 名前 | 互換性のあるラックサイズ |
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低電力 | 3.8 kW | 1ϕ | 16 A | 20 A | 100–240 V | IEC 60309 | RMX-10140-16S2 | 15Uのみ |
中間電力 | 5.7 kW | 1ϕ | 24 A | 30 A | 100–240 V | IEC 60309 | RMX-10140-24S2 | 15U、38U、および44U |
高電力Y型 | 11.5 kW | 3ϕ Y | 16 A | 20 A | 100–240 V | IEC 60309 | RMX-10140-16Y2 | 38Uおよび44U |
高電力デルタ型 | 13.3 kW | 3ϕ Δ | 32 A | 40 A | 200–240 V | ハードワイヤ | RMX-10140-32D2 | 38Uおよび44U |
超高電力 (3ϕ出力) | 21 kW | 3ϕ Δ | 50 A | 63 A | 200–240 V | ハードワイヤ | RMX-10140-50D2P | 38Uのみ |
超高電力 (3ϕ出力) | 36 kW | 3ϕ Y | 50 A | 63 A | 200–240 V | ハードワイヤ | RMX-10140-50Y2P | 38Uのみ |
表2:6つのPEPバージョン仕様
単相電源入力パネルを使用したATE基本コンフィギュレーションには、グローバル入力電圧 (100~240 V、50~60 Hz) をサポートする単相PDUが1つまたは2つ含まれています。これらは、電源入力パネルに直接ケーブル接続されています。16 A PEPバージョンは15Uラック専用で、単一のPDUが付属します。24 A PEPバージョンには2つのPDUが付属しています。12、24、28、48 V用のDCレールも提供されています。
主な特長:
三相電源入力パネルを使用したATE基本コンフィギュレーションには、3つの単相PDUを含めることができます。ユニットはすべて電源入力パネルに直接接続し、最適な電源管理を実現します。表2に示す超高電力PEPは、ラック内で三相電源の配電が可能です。12 V、24 V、28 V、48 Vに対応するDCレールも提供されています。
メモ:単相PDUと3相PDUの詳細は、それぞれのデータシートに記載されています。
主な特長:
メモ:単相PDUと3相PDUの詳細は、それぞれのデータシートに記載されています。
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