計測器の観点から述べると、電流計測はシャント、変流器 (CT)、ホール効果センサ、およびロゴスキーコイルのようなフロントエンドコンディショニングやセンサにより行われます。 NIは、モジュールによる直接計測と、外部センサおよびコンディショニング装置との接続形態の両方について、豊富なハードウェアオプションを提供しています。 表1に、電流計測用CompactRIOシャーシおよびCompactDAQシャーシとの互換性があるモジュールを示します。
表1に示すモジュールはすべて、チャンネルごとに50kS/sの24ビットADCによる同時サンプリング入力を使用しています。 表1および表2に示す電流計測モジュールおよび電圧計測モジュールは、CompactDAQまたはCompactRIOシャーシのいずれかに共に取り付けると同期されます。より正確に位相と電力の計測を行うには、チャンネルの同期が必要です。
モデル番号 | 計測範囲 | 電流の計測方法 |
---|---|---|
NI 9239 / NI 9229 | ±10 V/±60 V | ±10 Vまたは±60 V出力で電流センサに接続 |
NI 9238 | ±0.5 V | 0.333 VRMS出力および外部シャントで電流センサに接続 |
NI 9227 | 5 ARMS | 内部にキャリブレーション済みシャントがあるモジュールに直接接続 |
NI 9246 | 20 ARMS | 内部にキャリブレーション済みCTがあるモジュールに直接接続、または高電流CTから1 Aおよび5 Aの二次側に接続 |
NI 9247 | 50 ARMS (100 ARMSで10秒間) | 内部にキャリブレーション済みCTがあるモジュールに直接接続、または高電流CTから1 Aおよび5 Aの二次側に接続 |
表1:NIは、電流計測用に豊富なCシリーズモジュールを提供しています。 いずれのモジュールも、LabVIEWやその他の計測/解析ソフトウェアで処理するための完全波形を出力することができます。
図1:NI 9229、NI 9239、NI 9227、およびNI 9238は、計測チャンネルごとに1つの2端子コネクタ (左) を備えています。 シールドを利用できます (右)。抜け防止機構として、またオペレータがアクティブな回路と接触するのを避けるための対策として使用することを推奨します。
図2:NI 9246およびNI 9247モジュールはCTを内蔵しており、高い過電流定格を有します。高電流計測用の丸型圧着端子を使用した10AWGのワイヤまで対応できます。 これらのモジュールで直接計測することにより、外部CTやセンサを使用するよりも正確で高い周波数応答を実現できます。 いずれのモジュールも、1秒間にわたって500 ARMS、1周期にわたって1250 ARMSに耐えることができます。
下図は、電流計測用回路にモジュールを物理的に接続する方法を示しています。 説明のため、ここではコンセントタップを住宅用ソケットに接続した状態を示していますが、住宅でのサービスレベル (120 VAC/240 VAC) における個人向け電化製品から、公共電力で使用する電圧仕様まで考え方は同じです。 メモ: 公共電力からの配電や伝送レベルでは、必ず外部センサ (CTまたはPT) を使用します。
図3:モジュールを直接接続するには、負荷用のワイヤ (米国では黒色) を切断して、単一チャンネルのAI+およびAI-端子に接続します。 モジュールに流れる電流が計測されます。 上図ではケーブルにスプライスが付けられており、コンセントタップに接続されているすべてのデバイスに流れる電流をモジュールにより計測します。
図4:CTを使用したモジュール計測では、負荷用のワイヤ (米国では黒色) をCTの開口部に通します。これは、スプリットコアのCTを使用するか、ワイヤを切断してつなぎ直すことで行います。 次に、CTからリード線を計測モジュールのAI+およびAI-端子に接続します。 CTの開口部を通るライン上のすべての電流がモジュールにより計測されます。 センサからのボルトまたはアンペア出力を回路のフルスケールのアンペア数に変換する処理は、ソフトウェアにより行われます。
変流器 (CT) は、センサに流れる電流を、計測器で扱える低いレベルまで線形的に変換するために使用されるセンサです。 変流器のコアはドーナツ型やリング型で、中央に開口部が存在する形状を有します。 コアには二次側を形成するためのワイヤが巻かれており、シュラウドまたはプラスチック製のケーシングでカバーされています。 コアのワイヤの巻数により、計測対象のライン (一次側) と計測器に接続されている電流出力 (二次側) との変換比 (CT比) が決まります。 計測対象の負荷用ワイヤは、変流器中央の開口部に通します。 例: CT比が500:5の場合は、一次側のラインの500 ARMSの負荷が、CTの二次側では5 ARMSの出力となることを意味します。 計測器の端子では5 ARMSとして計測されますが、ユーザがスケール係数を入力することにより、フルスケールの500 ARMSとして表示することができます。 CTの仕様は公称値で表されますが、100%の公称値に対する確度が記載されることもあります。 CTのコアには、スプリットコアとソリッドコアがあります。 スプリットコアの場合は、ヒンジで開く構造や、取り外し可能な部分を設けることにより、計測対象の負荷用ワイヤを物理的に切り離さなくてもCTを取り付けることができます。
安全上の注意: CTは取り付け済みのラインの周囲に物理的に接続することができますが、CTを取り付ける前に、安全のため電源を切っておく必要があります。 一次側の電源が入った状態で二次側の接続部に触れると、危険電圧にさらされるおそれがあります。
CTを購入する際は、公称値のレンジ、開口部の直径、スプリットコア/ソリッドコア、出力のタイプ (電圧/電流)、および出力のレンジ (0.333 VRMS、±10 V、1 ARMS、5 ARMSなど) のオプションを指定します。 CTのベンダーによっては、ニーズに応じてセンサの入力や出力のレンジなどをカスタマイズできる場合があります。
図5:スプリットコアのCTはヒンジ構造や取り外し部があるためラインを物理的に切り離さずに取り付けることができますが、電源は切っておく必要があります。(画像提供: Magnelab)
図6:ソリッドコアのCTは低コストですが、すでに稼働している回路に取り付ける場合は手間がかかります。
(画像提供: Magnelab)
ほとんどのAC回路の電力品質のアプリケーションでは、1 kHzから2 kHzの帯域幅で十分です。より高い周波数のアプリケーションの場合は、帯域幅が最大24 kHzのNI 9246またはNI 9247に直接接続するか、高価な高周波数用CTを選択してください。 上の表に記載されているすべてのモジュールは、直接接続された信号に対して約24 kHzの帯域幅があります。 高周波数用CTはこれらの用途にさらに特化しており、数百MHzのレンジの帯域幅に対応しています。 NI 9215、NI 9222、およびNI 9223計測モジュールの高周波数計測時のサンプルレートは100 kS/s/chから1 MS/s/chで、16ビットの分解能を提供します。
NI 9223の仕様を超える高周波数計測に対しては、ラボ、研究、テストシステム用に設計されたPXI用のスコープやデジタイザを使用することをNIでは推奨しています。
CTでは、DC電流やAC信号のDCオフセット成分は計測できません。 ほとんどのAC電力アプリケーションでは、これらの計測は必要ありません。DC計測が必要な場合は、NI 9227であればキャリブレーション済みのシャントが内蔵されているため、5アンペアまでのDC電流を計測できます。 5アンペアを超えるDC電流を計測するには、高電力の電流計測用シャント (後述) またはホール効果センサ (後述) を適切な計測モジュールに接続して使用します。
ロゴスキーコイルは「ロープCT」とも呼ばれるもので、ラインを流れる電流を計測するセンサの一種です。 ロゴスキーコイルも負荷用ワイヤの周りに巻線がある点で似ていますが、柔軟性があって通常のCTよりも開口部がかなり大きく、計測の原理が異なります。 ロゴスキーコイルでは、電流の変化率に比例した電圧を発生させ、それに比例した電流に変換させるための積分回路が必要となります。 積分回路は独立したボックスまたはコンポーネントでDC電源供給を必要とし、通常はパネルやDINレールマウントで取り付けられ、低い電圧または電流信号を計測器に出力します。 ロゴスキーコイルはサイズと柔軟性に優れるため、商業施設や工場に見られる大型のバスバーの周りに取り付けるのに適しています。対象物が組み込み済みで、後付けで電力計測を行う場合は特に有効ですが、同等の入力レンジを持つCTよりも高価となります。
図7:ロゴスキーコイルは外部電源と積分回路 (上図の黒色の取り付け可能なボックス内) を必要とし、通常のソリッド/スプリットコアを用いたCTよりも高価ですが、位相の応答が高速で、しかも開口部が大型で柔軟性があるため、後付けをする場合や大型のバスバーに対して計測を行う場合に有利となります。(画像提供: Magnelab)
ホール効果センサは、Edwin Hallによって発見された、磁界に対して垂直に配置された半導体に電流が流れると、半導体材料全体に電圧が発生する「ホール効果」を利用するセンサです。 電流計測に用いる場合は、ホール効果回路を磁界のコアに垂直に配置し、計測対象のラインを流れる電流負荷に対して比例する電圧を出力させます。 一般に、ホール効果を利用するCTは周波数応答に優れ、DCオフセットを計測することができますが、高価でより多くの電力を必要とし、温度ドリフトが発生する場合があります。
図8:ホール効果センサは磁界に対してセンシング回路が垂直に配置され、電力を必要とします。 ホール効果センサはCTのように飽和制限の影響を受けることがなく、DC電流を計測できますが、高価となります。
電流計測シャント、または電流シャント抵抗は、シャントを流れる電流を計測するために回路に配置される抵抗です。 これらは一般的な電気部品で、多くのアプリケーションに使用されています。 シャントのサイズは、計測する電流のレンジ、出力レンジ、および回路を流れる電力を基準にして決定します。 確度を高める場合は、より高価な精密抵抗を使用します。 シャントは回路のワイヤに巻くのではなく、1つのコンポーネントとして直列に配置します。 計測対象の回路と計測機器の間の絶縁がなくなるため、CTやロゴスキーコイルよりも取り付けが難しくなります。 しかしながら、シャントを使用するとDC電流を計測することができ、周波数応答や位相応答が向上します。 CompactRIOおよびCompactDAQ用のNI 9238モジュールは、電流シャント抵抗用にローレンジのアナログフロントエンド (±0.5 V) を使用して設計されています。 また、NI 9238は、250 Vのチャンネル間絶縁を備えています。
以下のサードパーティ企業のカタログには、計測用の変流器および変圧器、ホール効果センサ、ロゴスキーコイルが記載されています。 電流シャント抵抗については、Digi-Key Electronics社などの電子部品販売企業が取り扱っています。
Magnelab社は、変流器 (CT)、計器用変圧器 (PT)、ロゴスキーコイル、高周波数CTなど、さまざまな出力信号レベルの電圧および電流計測用製品を数多く提供しています。
Verivolt社は、電力計測アプリケーション用に豊富なセンサ、コネクタ、絶縁用製品を取り扱っています。 さらに、一部のセンサは高い帯域幅を持ち、NI 9223、NI 9222、NI 9215などのBNC計測モジュールとクイック接続するためのBNC接続オプションを提供しています。
図9:Verivoltは、BNCコネクタを使用するNI製モジュールに直接接続できるBNC接続機能を持つ豊富なセンサを提供しています。 BNC接続機能を持つアナログ入力モジュールには、NI 9229、NI 9239、NI 9215、NI 9222、NI 9223があります。(左/中央の画像はVerivolt提供)
この資料で扱う電圧計測とは、住宅用の120 VRMSから、配電網の伝送システムにおける超高電圧 (EHV) システム用の750 kV以上に及ぶ、産業用および公共電力の電圧レベルに相当するAC電源システムのことを指します。 公共電力の高電圧アプリケーション用に設計される計測器では、安全性、大型ゲージワイヤ用端子、高い熱拡散性、特定の認証試験への対応などが求められます。 AC電源計測用の多くの計測器は、数百ボルトの入力レンジを備えています。 1,000 VACを超える高電圧の場合は外部の計器用変圧器 (PT) が必要となり、多くの計測器で扱える低いレンジまで計測対象の電圧を変換する必要があります。
電流計測モジュールと同様に、表2に示すモジュールはすべて、チャンネルごとに50 kS/sの24ビットADCによる同時サンプリング入力を使用しています。 CompactDAQおよびCompactRIOシャーシにより、下表に示す電圧計測モジュールを表1に示す電流計測モジュールと同期させます。これは、より正確な位相計測と電力計測のために必要となります。
モデル番号 | 計測範囲 | 使用される計測テクノロジ |
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NI 9242 | 250 VRMS L-N | 120/240 ACシステム用直接測定。 二次側が120/240 VRMSの外部PTに接続することにより、高電圧計測に対応。 |
NI 9244 | 400 VRMS L-N | 690 VRMS L-Lシステムまで対応する直接計測。 |
NI 9225 | 300 VRMS AI+~AI- | 300 VRMSシステムまで対応する直接計測 |
NI 9238 | ±0.5 V | 0.333 Vセンサへの接続 |
NI 9239 | ±10 V | 10 Vセンサへの接続 |
NI 9229 | ±60 V | 60 Vセンサへの接続 |
表2:NIは、あらゆる形の電圧計測用に豊富なCシリーズモジュールを提供しています。 いずれのモジュールも、LabVIEWやその他の計測/解析ソフトウェアで処理するための完全な波形データを出力することができます。
図10:NI 9242/44は、AC電源や公共電力アプリケーションで使用するための大型の入力端子と高い過電圧保護を備えています (画像は付属の保護シェルを取り付けた状態)。
この資料でも説明したように、高速計測機器からは下図のような波形データが得られます。 LabVIEWで取得したこのデータでは、緑色の波形は120 VRMSのオフィス内ソケットからの電圧の波形を示し、赤色の波形は旧式の小型蛍光電球の電流計測結果を示しています。 電圧計測モジュールと電流計測モジュールは、CompactDAQまたはCompactRIOシャーシで信号を共有することにより同期されます。 これは、電圧波形と電流波形の間の位相シフトが監視対象の電力品質を判断するためのパラメータとなり、また同時サンプリングなしではシフトの原因が計測器と回路のどちらにあるのか判断できないようなアプリケーションでは重要となります。
図11:波形データと電力の計算結果を表示するようにLabVIEWフロントパネルをデザインできます。
このような計測システムでは、モジュールから得られる波形データを使用して、必要な電力品質のパラメータを計算します。 このような計算はかなりシンプルな場合もありますが、複数の周期、秒数、または分数にわたって複雑な計算を行い、究極の品質を目指す場合もあります。
LabVIEWでは、波形および信号処理用に複数の関数パレットを用意しており、電力波形処理や計算のための追加ツールキットを提供しています。 NIのLabVIEW Electrical Power Toolkitは、この資料で説明した基本的な電力計算に対応したすべての解析機能を提供しており、オンラインでダウンロードしていただくことができます。 NIが提供するフルバージョンのLabVIEW Electrical Power Toolkitには以下の解析機能が含まれており、IEC 61000-4-30:2008規格に準拠しています。
以下の解析機能は、EN 50160:2007規格に準拠しています。
CompactDAQ用NI-DAQmxドライバは、LabVIEW、C、C++、Measurement Studio用のAPIをサポートしており、データをオープンファイル形式で保存し、Excelなどの他のソフトウェアプログラミング言語で使用することができます。
テキストベースのプログラマは、Electrical Power Toolkitの解析VIはLabVIEW開発環境でのみ使用可能で、CVI、C、C++、またはMeasurement Studioでは使用できないことに注意する必要があります。
大型ポンプ、ファン、ベルトなどの重要な装置の故障を回避するには、アセットモニタリングシステムを使用して物理的パラメータと電気的パラメータを監視し、機械の保守時期をインテリジェントに判断します。 大型モータでは、電流特性図を活用して、アンバランスなどの効率低下やローターバーの破損などの機械的故障を検出します。下の表3に、モータ監視アプリケーションで推奨される製品コンポーネントを示します。
コンポーネント | NI製品 | 説明 |
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電圧入力 | NI 9244 (400 VAC L-N、690 VAC L-Lまで) NI 9242 (250 VAC L-N、400 VAC L-Lまで) | 大型の産業用モータは配電サービスレベルの電圧で動作することが多いため、外部PTを使用してNI 9242に接続する必要があります。 690 VAC以下の低電圧モータは、NI 9244に直接接続できます。 |
電流入力 | NI 9239と低電圧CT | 1 A/5 AのCTよりも、低電圧CTを使用する方が安全で作業が容易になります。 定常状態の電流の10倍に及ぶ突入電流を考慮して、CTと選択すべき低電圧モジュールのサイズ選択を行ってください。 |
シャーシおよびコントローラ | CompactRIO | 内蔵プロセッサによりシステムを連続動作させます。 処理されたデータはローカルに保存されるか、SCADAシステムに戻されるか、SCADAシステムまたはローカルPLCへのアラームをトリガします。 |
ソフトウェア (テキストベース) | NI Linux Real-Time C/C++クロスコンパイルツールチェーン | すでにCまたはC++でアルゴリズムを開発しているシステム開発者の場合、NI Linux Real-Timeクロスコンパイルツールチェーンを使用してCompactRIOコントローラのマルチコアプロセッサをプログラミングできます。FPGAはまだLabVIEWでプログラムされています。 |
表3:永久設置型モータの監視システムに推奨されるコンポーネント。
住宅用または商用電気製品に対してコンピュータベースのテストシステムを使用することにより、設計とテストを担当するチームの生産性を向上し、製品の品質を改善することが可能になります。 研究開発用テストの分類例として、以下が挙げられます。
さらに、電気製品のテストシステムを構築して自動製造ラインのテストを行い、デバイスの起動やLEDの動作確認を行うことができます。 下の表4に、電気製品または電気デバイスのテストシステムに推奨される製品コンポーネントを示します。
コンポーネント | NI製品 | 説明 |
---|---|---|
電圧入力 | NI 9244 (690VACまで)
| 多くの住宅用および商用電気製品は、NI 9244の三相690 VACのレンジで動作します。 |
電流入力 | NI 9247 | NI 9247高電流入力モジュールは、キャリブレーション済みCTを内蔵しており、位相ごとに50 ARMSまで連続計測可能で、最大100 ARMSを10秒間計測して突入イベントをキャプチャすることができます。 |
シャーシおよびコントローラ | NI CompactDAQおよびマルチコアPC | NIのCompactDAQには、PCと接続するための4、8、および14のUSBまたはイーサネット用スロットが備えられています。 シャーシのすべてのモジュールが同期され、1スロットは電圧用、1スロットは電流用で、その他に温度、圧力、流量、デジタル信号などの各種センサモジュール用のスロットを電気製品のテストに使用できます。 |
ソフトウェア (グラフィカル) | LabVIEW Electrical Powerツールキット | Electrical Power Toolkitには、PMUツールキットとProtection IPツールキットが含まれます。 NI Grid Automation Systemに含まれるPMUプログラムは、LabVIEWのオープンプロジェクトとしてダウンロードすることができます。 |
ソフトウェア (テキストベース) | NI-DAQmx (ドライバはハードウェアに付属) | CompactDAQのNI-DAQmxドライバは、C/C++、C#、Visual Studio .NETなどの豊富なテキストベース言語をサポートしています。 |
表4:電気製品またはその他の複合センサを用いた電気デバイスのテストシステムに推奨されるコンポーネント。
公共電力業界に使用されるNI製ハードウェアは、以下に示す計測、制御、および保護用グリッドデバイスに対応しています。
下の表5に、変電所の制御室建屋、構内、配電システムのポール/パッドマウント筐体などの公共電力用グリッドに配備される、インテリジェントシステムに推奨される製品コンポーネントを示します。
コンポーネント | NI製品 | 説明 |
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電圧入力 | NI 9242 | NI 9242は、変電所、変圧器、ブレーカで使用される120 VRMSおよび240 VRMSのPTに接続するために設計されています。 低電圧PTの場合は、NI 9238、NI 9239、またはNI 9229が適しています。 |
電流入力 | NI 9247 | NI 9247高電流入力モジュールは、キャリブレーション済みCTを内蔵しており、50 ARMSまでの連続計測と、100 ARMSを10秒間計測することができます。 耐用レンジは、500 ARMSで1秒間、1250 ARMSで1周期です。 |
シャーシ およびコントローラ | NI CompactRIO | LinuxベースのRTOS、プログラム可能なFPGA、マルチコアプロセッシングオプション、および堅牢な動作仕様により、CompactRIOはインテリジェントなグリッドデバイス設計に最適な製品です。 |
ソフトウェア (グラフィカル) | LabVIEW | LabVIEWはテストソフトウェアの業界標準です。 Electrical Power ToolkitとLabVIEW Sound and Vibration Toolkitを追加することにより、多彩な計測機能を事前に構築することができます。 レポートやダッシュボードを作成したり、複数のファイル形式でデータを保存したりできる他、LabVIEWドライバネットワークから利用できるドライバを使用して、4,000社以上のサードパーティ製計測器と接続することができます。 |
ソフトウェア (テキストベース) | C/C++用Eclipse | すでにCやC++でアルゴリズムを開発しているシステム開発者は、Eclipse開発環境を使用して、CompactRIOのマルチコアプロセッサをプログラムすることができます。 プログラム可能なFPGAについては、LabVIEWでプログラムします。 |
表5:配電網用のインテリジェントな計測および制御デバイスに推奨されるコンポーネント。
電圧、電流、および電力の計測を最高の品質で行うのであれば、NI 9227、NI 9246、NI 9247のように、直接計測を提供するモジュールと計測器の使用をお勧めします。 CTの入出力レンジや計測モジュールの入力レンジを選択する際は、回路に生じるあらゆる動作レンジ (定常状態、突入/始動、障害時など) を考慮するようにしてください。 この観点から、下表をおおよその指針として、他社のセンサを選択してください (選択対象は多くの要因に左右されるため、明確な答えはありません)。最も適切なセンサの選択については、MagnelabやVerivoltのようなセンサのベンダーにお問い合わせください。
モジュールの直接接続を既定の選択肢として、下表を参考にしてください。
電流計測システムに求められる仕様 | 推奨事項 |
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5 ARMS以下の計測で最高レベルの確度 | NI 9227 (5A) |
DC計測 | NI 9227 (5A) |
過電流保護 (500 ARMSで1秒間、1250 Aで1周期) | NI 9246 (20A) またはNI 9247 (50A) |
最大50 ARMSの連続 (定常状態) 計測レンジと最大100 ARMSで10秒間の計測 | NI 9247 (50A) |
50 ARMSを超える入力レンジ | 電圧出力付き外部CTを電圧入力モジュールに使用 |
計測器を回路にカップリング/スプライシングせずに計測 | 電圧出力付き外部CTを電圧入力モジュールに使用 |
ソリッドコアやスプリットコアのCTを取り付けるのが難しい場所への設置 (バスバー、タイトな配線など) | ロゴスキーコイルを電圧入力モジュールに使用 |
5 Aを超えるレンジのDC計測 | ホール効果センサまたは電流シャント抵抗 |
計測器を回路にカップリング/スプライシングせずにDC計測 | ホール効果センサ |
二次側に1 Aまたは5 Aを出力するセンサで、入力レンジが50 ARMSを超える (公共電力アプリケーション) | 1 A/5 AのCTの二次側をNI 9246またはNI 9247に接続。 |
チャンネルあたりのコストを削減しつつ、分解能と動的計測品質のトレードオフを許容する | 出力が±10 V未満のCTとPTを使用して、16チャンネル同時入力モジュールNI 9220に接続。(100kS/s/ch) |
DC電流に対する高い確度が必要 | 高精度シャント抵抗またはPXI DMM |
広い帯域幅が必要(最大500 kHz) | 出力が±10 V未満の高周波数CTおよびPTを使用し、NI 9215、NI 9222、またはNI 9223に接続。 |
広い帯域幅が必要 (500 kHz超) | PXI Scope/デジタイザ |
表6:電流計測ソリューションの選択ガイド
CompactRIOおよびCompactDAQは、テスト、計測、制御、および監視用に設計されたシャーシベースのシステムです。 100種類を超える計測モジュールを使用することができ、1つの計器で要件を満たすように計測ソリューションを組み合わせてカスタム設計できます。 電力アプリケーションでは、同一のシャーシにさらにモジュールを追加して回路の計測機能を増やしたり、温度、圧力、振動のような他の計測対象と電力を組み合わせて、完全な研究開発用テストシステムや包括的な設備監視システムを構築することができます。
NIのCompactDAQシャーシは1、4、8、および14個のスロットオプションで提供され、USB、WiFi、またはENET接続によりWindows PCとの通信も可能です。 CompactDAQコントローラはコンピュータを内蔵することができ、外部PCが不要となります。 CompactDAQコントローラは、モバイルで行われ、堅牢性を必要する、ヘッドレス (接続UIなし) の監視操作やテスト操作を想定して設計されています。TO:NI CompactDAQシャーシは1、4、8、および14個のスロットオプションで提供され、USBまたはイーサネット接続によりWindows PCとの通信も可能です。
CompactDAQの詳細をご覧ください。
CompactRIOはマルチコアプロセッサ、リアルタイムオペレーティングシステム、プログラム可能なFPGAを備え、NIやサードパーティ企業が提供するすべてのCシリーズモジュールとの互換性を有する、プログラム可能な制御および監視システムです。 CompactRIOを使用することにより、領域専門家は埋め込み式のI/Oコントローラや監視システムを構築し、さまざまな問題を解決することができます。
CompactRIOの詳細をご覧ください。