図1:NI CompactRIOコントローラでは、Intel Atomシステムオンチップを搭載することで、サイズと電力損失を抑えつつ最高のコントローラ性能を実現しています。
NI CompactRIOコントローラは、Intel Atomプロセッサなどの最新テクノロジーを採用していますので、堅牢な組込フォームファクタで優れたパフォーマンスを発揮します。Intel社とNIは長年にわたり、組込計測/制御業界向けに高性能の処理能力を提供してきました。たとえば、高性能の64ビットIntel Atom E3825/E3845システムオンチップ (SoC) を採用したことで、マルチコアテクノロジ、アウトオブオーダー実行、統合GPUによる内蔵ディスプレイ機能などの上級機能をコンパクトで堅牢なファンレス筺体にすべて格納しています。「Silvermontマイクロアーキテクチャで高度な処理性能を実現」セクションの第2パラグラフにある最初の文を次のように更新してください: NIがIntel SoCを採用した初のアーキテクチャであるSilvermontマイクロアーキテクチャを選んだのは、コンパクトなボード設計で低電力ながら非常に優れたシステム性能を備えているためです。
Intel Atom E3825プロセッサ | Intel Atom E3845プロセッサ | |
コア速度 | 1.33 GHz | 1.91 GHz |
コアの数 | 2 | 4 |
L2キャッシュ | 1 MB | 2 MB |
グラフィック周波数 | 533 MHz | 542 MHz |
メモリ | 64ビットDDR3L-1066 | 64ビットDDR3L-1333 |
メモリ密度 | 1 GBまたは2 GB | 2 GB |
これらのプロセッサは、業界をリードするIntel社の22 nm処理テクノロジを採用したIntel Silvermontマイクロアーキテクチャがベースとなっています。この新しいマイクロアーキテクチャを使用すると、これまでのIntel Atom™プロセッサファミリの低電力マイクロアーキテクチャに比べ、性能とエネルギー効率が格段に向上します。新しいアウトオブオーダー実行エンジンを搭載していますので、優れたシングルスレッド性能と卓越した電力管理機能が実現できます。
NIが次世代CompactRIO/CompactDAQの基礎として、Intel SoCを採用した初のアーキテクチャであるSilvermontマイクロアーキテクチャを選んだのは、コンパクトなボード設計で低電力ながら非常に優れたシステム性能を備えているためです。 それにより、旧世代のコントローラに比べ4倍もの性能を誇りながらも、過酷な環境にもデプロイできる小型で堅牢なCompactRIOコントローラが誕生しました。
E3800シリーズは、GPU (グラフィックプロセッシングユニット) 内蔵のディスプレイインタフェースや、SATAを含む複数タイプのストレージ、PCI Express、Hi-Speed USB 2.0、16個のDMAチャンネルといった業界標準の高帯域幅インタフェースによる拡張機能など、各種周辺機器接続をサポートしています。このプロセッサをi210 Ethernetコントローラと併せて使用することで、ギガビットイーサネットの理論上の最大レートに近いイーサネットストリーミングレートを実現し、同時にプロセッサの使用率への影響を最小限に抑えることが可能になります。
新しいIntel Atom SoCを採用したCompactRIOコントローラは、処理能力が大幅に向上し、より高速の制御ループレートやさらに複雑な処理アルゴリズムにも対応することができます。 新しいIntel Atom SoCは、さまざまな業界標準周辺機器をサポートしているだけでなく、このSoCによって、CompactRIOコントローラでは、コンポーネントを1つのハードウェアデバイスに統合することでシステムの大幅な簡素化が可能なりました。
高帯域幅USB接続機能を搭載しているため、より多くのDMAチャンネルで計測/制御データを高速にストリームし、そのデータを取り外し可能なSDストレージカードに直接ストリームすることができます。2つのギガビットイーサネット接続を両方使ってネットワーク上でデータをストリームし、最高性能の分散型データロギング/制御/監視システムを構築できます。内蔵のディスプレイポートとUSBポートにタッチモニタを接続すれば、ヒューマンマシンインタフェース (HMI) をデータロギング/制御/監視システムに直接組み込むこともできます。
Intel AtomプロセッサE3800製品ファミリは、データロギング/監視/制御システム用に設計された初のシングルチップ製品で、高性能の処理能力とグラフィック機能、統合されたメモリコントローラ、高スループット、拡張温度範囲で動作する低電力の周辺機器など、多彩な機能を搭載しています。特に注目すべき点は、こうしたユニークな機能が1つの6ワットSoCパッケージで提供されている点です。
多くの便利な機能と業界最高水準の性能を満載した低電力SoCを使用したことで、NIはファンレスのコンパクトなCompactRIOコントローラを設計することができました。しかも動作温度範囲は、ほとんどの過酷な環境で求められる-40~70℃という広さです。また、Intel Atom SoC用に小型の高効率コアオンボード電源を実装したことで、システムのサイズと消費電力をさらに削減することができ、広範なデータロギング/計測/制御アプリケーションに適したコントローラとなっています。
最新のIntel Atom SoCデバイスを活用することで、NIでは、過酷な工業環境や現場における高性能な制御/計測プラットフォームの利用を可能にしました。