多くの制御/計測システムには、システムを視覚化し、オペレータがシステムと対話するためのツールが必要です。 業界によっては、この視覚化ツールをユーザインタフェース (UI) またはヒューマンマシンインタフェース (HMI) といいます。 UIまたはHMIの開発では、いくつかのソフトウェアやハードウェアアーキテクチャから選択してシステムのデータを視覚化することができます。これらのアーキテクチャは、コンポーネントディスプレイやモニタなどのローカルディスプレイから、ネットワーク接続があればどこからでもデータにアクセスできるWebアクセス可能なリモートクライアントにまで及ぶ可能性があります。
CompactRIOプラットフォームを使用すると、ローカル、リモート、またはモバイルの表示オプションの組み合わせを使用して、データを視覚化しシステムと対話することができます。 RS232を介して制御されるシンプルなコンポーネントディスプレイ、DisplayPortを介してコントローラに直接接続する高解像度モニタ、またはリモートあるいはモバイルWebサービスベースのシンクライアントを使用しているかどうかにかかわらず、品質の優れたインタラクティブで機能豊富なUIを設計して、それらをCompactRIOに直接接続することができます。これにより、HMIコントローラの追加を必要とせず、合理化されたデータの視覚化とオペレータインタフェースを実現します。
図1. CompactRIOプラットフォームにより、ローカル、リモート、またはモバイルの表示オプションの組み合わせを使用してデータを視覚化することができます。
CompactRIOプラットフォームの表示オプションは、ローカルとリモートの2つの主要なカテゴリにまとめることができます。 ローカル表示オプションには、コンポーネントレベルのディスプレイとモニタが含まれます。 コンポーネントレベルのディスプレイは、最終的な機械設計に直接組み込むような、より大きなシステムのコンポーネントです。 これらのタイプのディスプレイは通常、ボードレベルで、シリアル接続またはUSBを介して接続され、ソフトフロントパネルボタンや基本的システムデータなどのより基本的な機能の提供を目的としています。 コンポーネントディスプレイは通常、ストリーミングビデオやWindows、LinuxなどのOSで使用される1 kHzの更新レートには対応していません。
図2. コンポーネントレベルのディスプレイは、ソフトフロントパネルボタンや基本的システムデータなどの基本的な機能の提供を目的とし、通常、最終的な機械設計に直接組み込まれます。
モニタでは、コンポーネントレベルのディスプレイよりも豊富なUIエクスペリエンスが得られます。 これらのタイプのディスプレイは通常、Windowsなどの汎用OSとペアで使用されます。 CompactRIOプラットフォームは、統合グラフィックスを備えたリアルタイムオペレーティングシステムの性能を有し、内蔵のDisplayPort経由でモニタをコントローラに直接接続することで、オペレーティングシステムの確定性とGPUの豊富な表示機能を利用できるようになります。
図3. CompactRIOプラットフォームの組み込みUI機能によりコントローラに直接組み込むことが可能で、単体のHMIは不要になります。
リモート視覚化とオペレータインタフェースについては、TCP/IP、UDP、OPC、またはWebサービスなどのネットワーク通信標準に依存する多くのオプションがあります。これらのソリューションには、タッチパネルコンピュータ (TPC) とシンクライアントが含まれ、安全なリモート視覚化機能を必要とするコントローラからHMIを分離することができます。 TPCやデスクトップPCでは、HMIアプリケーションを駆動する専用プロセッサを備えているため、より多くの演算処理リソースが解放されます。 このタイプのHMIは、より複雑でグラフィックス重視の表示が可能です。
図4. TPCやデスクトップPCでは、HMIアプリケーションを駆動する専用プロセッサを備えているため、より多くの演算処理リソースが解放されます。
もう一つのリモート表示オプションは、シンクライアントです。 専用のTPCやクライアントがインストールしたアプリケーションと異なり、シンクライアントはzero install UIをクライアント側で実行し、データの回収、解析、ロジック実行のほとんどをサーバに依存します。 このタイプのUIを使用すると、データにアクセスする場所をさらに柔軟に設定することができます。 一般的なシンクライアントには、Webブラウザベースとモバイルの2種類があります。 これらのタイプのディスプレイは、分散システム、または多数の物理的な場所からデータにアクセスする場合に最適です。
図5. シンクライアントは、分散システム、または多数の物理的な場所からデータにアクセスする場合に最適です。
データの表示とデプロイされたシステムとの対話は、産業用モノのインターネット (IIoT) アプリケーションでの共通の要件です。 LabVIEWを使用すると、データの視覚化とオペレータ入力のためのすばらしいGUIを迅速に開発することができます。 LabVIEWには、グラフやチャート、メータ、ボタン、ノブ、スイッチなどのドラッグアンドドロップ式コントロールとインジケータの包括的なセットが含まれているため、アプリケーションのユーザインタフェースを簡単に作成し、サードパーティのコンポーネントを使用したり、ゼロから開発したりすることなく結果を効果的に視覚化することができます。
図6. LabVIEWを使用すると、データの視覚化とオペレータ入力のためのすばらしい、機能豊富なGUIを迅速に開発することができます。
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