ビジョンアプリケーションしたハードウェア選択する

概要

NIでは、画像の集録と処理をサポートする各種ハードウェアオプションをご用意しています。このドキュメントでは、これらのハードウェアプラットフォームごとにサポートされているソフトウェアとカメラについて学ぶことで、さまざまなフォームファクタの中から選択する方法について説明します。また、様々な性能、実用性、統合基準などに関する仕様についても解説します。

内容

ビジョンアプリケーション向けNIハードウェアプラットフォームオプション

NIビジョンハードウェア製品には、一連の強力なPXIおよびPCベースのソリューションが含まれています。これらのハードウェアプラットフォームは、フォームファクタや性能などでいくつかの相違点があり、それぞれ適する環境やアプリケーション、システムアーキテクチャが異なります。

最高性能のNI CompactRIOおよびNI Single-Board RIOコントローラは、低帯域幅での画像の集録と処理をサポートしています。それには、他のビジョンプラットフォームに比べより低い画像解像度、低速度、高圧縮といった機能が必要です。 


図1: CompactRIOとNI Single-Board RIOをビジョンプラットフォームとして使用

ソフトウェアOSサポート

NIビジョンソフトウェアパッケージは、図1に示したハードウェアオプションとともに使用できるよう開発されたものです。つまり、プラットフォーム間での切り替えや、任意のビジョンハードウェアターゲットで既存のコードの大部分を再利用することも可能です。また、1つのソフトウェアパッケージで管理できるため、複数のシステムを使用することによる開発時間や保守コストを削減することができます。 

CompactRIOおよびNI Single-Board RIOプラットフォームは、NI Vision Development Module画像処理ライブラリのみをサポートしており、NI Vision Builder for Automated Inspectionには対応していません。

 

PXIおよび
PXI Express
システム

工業用/デスクトップPC

CompactRIO/
Single-Board RIO

Vision Builder for Automated Inspection

X

Vision Development Module

表1:ビジョンソフトウェアとハードウェアシステムオプションの対応表

NI LabVIEWグラフィカルプログラミング環境が全てのプラットフォームで使えるばかりでなく、NI Vision Development Moduleを利用すれば、C、C++、Visual Basic、.NETなどの言語 (Visual Basic .NET/C#) を使用してテキストベースの開発環境からWindows OS (表2を参照) 搭載システムをプログラミングすることも可能です。

 

PXIおよび
PXI Express 
システム

工業用/デスクトップPC

CompactRIO/
Single-Board RIO

Windows

X

Real-Time

表2:オペレーティングシステムとハードウェアシステムオプションの対応表

プラットフォーム機能利点比較

各プラットフォームを下記の9項目について比較しました。

  • 統合I/O ― I/Oの数と種類 (デジタルTTL、デジタル光学絶縁、アナログ)
  • 保守が必要な可動部品数を減らす ― ファンレス設計やソリッドステートドライブは振動による損傷を受けにくい
  • コンパクトなフォームファクタ ― より大きなシステムに物理的に組み込み可能なサイズと適合性
  • 電力消費量 ― システムが使用する総電力量
  • 温度定格 ― システムが検証済みの温度範囲
  • 集録帯域幅 ― 画像解像度、ビット深度、フレームレートの組み合わせの定義どおりに、システムが画像を集録可能とする最大スループット
  • 最大画像サイズ ― メモリと処理の制約によりシステムで集録できる画像の最大サイズ
  • 処理能力 ― 処理能力の高さは速度とコア数またはコプロセッサ数で特徴づけられます
  • 他の測定との統合(DAQ、モーションなど) ― イーサネット接続による他のデバイスとの統合ではなく、ダイレクトなRTSI接続/トリガと、システムに組み込める他のモジュール (Cシリーズモジュール、PXIモジュール、PCIボード) の有無

図2:リファレンスレーダー図

各ハードウェアプラットフォームの評価の分布は、レーダーダイアグラムの基準によって異なります。興味深いことに、どの図でも占める面積は同程度です。それは表3の合計点が似通っていることでもわかります。

  

PXIおよび
PXI Express 
システム

工業用PCとデスクトップ

CompactRIO/
Single-Board RIO

工業適性

統合IO
(量と幅)

5

5

5

保守が必要な可動部品数
を減らす

3

3

5

コンパクトなフォームファクタ

2

2

4

消費電力

2

2

5

温度
定格

4

3

5

パフォーマンス

集録
帯域幅

4

5

1

最大画像サイズ

4

5

1

処理能力

4.5

5

2

その他の測定
との統合
(DAQ、モーションなど)

5

4

4

合計

33.5

34

32

 

表3: 全NI Visionハードウェアプラットフォームの定格の比較

 

PXIPXI Expressシステム             

図3:PXI/PXI Expressシステムのレーダー図

機能

  • 全ての画像規格をサポート
  • PXI シャーシ内の全モジュールを同期できる高性能トリガ信号であるスタートリガにより、最高のタイミング、トリガ、統合性能を実現
  • ビジョン関連またはビジョン以外のプラグインボードが豊富

工業PCデスクトップ              

図4:PCシステムのレーダー図

機能

  • ビジョン関連またはビジョン以外のプラグインボードが豊富
  • PCとプラグインボードとの互換性を確認済み
  • NIの検証済みシステム (組込ビジョンシステム、PXI) に比べ短い在庫有効期間
  • 統合型USB 2.0、USB3、IEEE 1394、[Gigabit]イーサネットポートを使用する場合、プラグインボードは不要
    (ただし、プラグインボードはI/Oおよびオフロードを提供)
  • プロセッサ、メモリ、ストレージなど、多彩なオプション

CompactRIOおよびNI Single-Board RIO

図5:CompactRIO/NI Single-Board RIOシステムのレーダー図

機能

  • モジュール式I/O (アプリケーションによって自由に選べる)
  • 温度定格-40~+70℃
  • NI Single-Board RIOはOEM/組込デバイスに適したボード専用バージョン
  • 集録帯域幅が狭く、プロセッサの画像圧縮負荷が高い
    (現在はIPカメラを使用したjpeg形式の集録に適しています)

カメラサポート選び方

ビジョンシステムを選ぶ際は、カメラの互換性が最終的な決定要因となることが少なくありません。アプリケーションに使用する画像規格や必要な画像センサにより、選択肢は大きく変わります。様々な種類のカメラが販売され、多くの規格がNIによりサポートされているため、ビジョンシステムを選ぶ際にはサポートが必要となる場合もあります。表3および表4は、ハードウェアソリューションとカメラを選ぶ際に役立つ情報を掲載しています。


図6:NIのビジョンシステムは多くのベンダのカメラと互換可能

 

PXIおよび
PXI Express 
システム

工業用/デスクトップPC

CompactRIO/
NI Single-Board RIO

パラレルデジタル

Camera Link

GigE Vision

IEEE 1394

USB 2.0 (DirectShow)

IP

統合画像センサ

1NI以外のアナログモジュールでのみ低帯域となります

表4:システムと画像規格の対応表

 

PXIおよび
PXI Express 
システム

工業用/デスクトップPC

CompactRIO/
NI Single-Board RIO

エリアスキャン (2D)

ラインスキャンとの適合性

1

カラーイメージング

赤外線

1

3Dレーザープロファイルセンサ2

UVイメージング

X線イメージング

1


1
該当するハードウェアプラットフォームが必須の場合、一部のオプションでこれらのセンサとシステムの組み合わせが可能となります。
23D測定は、複数のカメラや構造化光源を使用して、三角形分割アルゴリズムとともに実装することもできます。

表5:システムと様々なセンサタイプとの適合性