NI-VISA概要

概要

このドキュメントでは、NIが実装した、VISA (Virtual Instrument Software Architecture) API、NI-VISAの概要について記載されています。


NI-VISAは、LabVIEW、LabWindows/CVI、Measurement Studioなど、NIのアプリケーション開発環境でイーサネット/LXI、GPIB、シリアル、USB、PXI、VXI計測器を制御するプログラミングインタフェースを提供するAPIです。APIは、NI-VISAドライバを介してインストールされます。

 

内容

VISA特長

NI-VISAが推奨される理由として、主に以下の3つの利点があります。

1.  インタフェースの独立性

NI-VISAでは、インタフェースのタイプにかかわらず、計測器の通信の際は同じ操作で通信することができます。これにより、インタフェースの切り替えが容易になり、1つの言語を使用して複数のさまざまな計測器の詳細を知ることができます。たとえば、VISAがメッセージベース計測器に書き込むASCII文字列は、計測器インタフェースがシリアル、GPIB、USBのどれでも同じものです。

2.   プラットフォームの移植性

NI-VISAは、VISA関数呼び出しを使用して記述されたプログラムがプラットフォーム間を移動できるよう設計されています。これは、独自のデータタイプを定義することで実行されます。これにより、アプリケーションはさまざまなプラットフォーム間で一貫した実行が保証されます。したがって、LabVIEWで作成されたVISAアプリケーションは、LabVIEWに対応するプラットフォームに簡単に移植できます。NI-VISAは、Windows OSバージョン、MacOSバージョン、Linuxディストリビューションなど、複数のオペレーティングシステムに対応しています。

3.   使いやすさ

NI-VISAは非常に簡単に習得できるインタフェースです。ほとんどのI/O機能に対して、バスの種類に影響されないAPIが提供されています。計測器で特に多く使用されている機能をコンパクトなコマンドセットにして提供しているので、複数のインタフェースタイプの下位レベル通信プロトコルを学ぶ必要はありません。

VISA技術

NI-VISAの使用を開始する前に、開発過程で一般的に使用される用語について簡単に学んでおくと後で役に立ちます。

VISAリソース

VISAリソースとは、システム内の計測器を指します。1つのホストに複数の計測器が接続されている場合、各計測器がVISAリソースと見なされます。リソースとは、計測器の機能セットの完全な記述です。

VISAリソースタイプは、計測器によって異なります。いくつかのタイプがあり、INSTR、SOCKET、RAWなどです。

VISAリソース名(計測器デスクリプタ)

VISAリソース名は、VISAリソースの正確な名前です。これは計測器インタフェースタイプ、計測器アドレス、およびVISAセッションタイプを指定します。VISAリソース名コントロールは、開発環境の計測器と通信するために使用されます。この情報を使用して、計測器がプログラムで適切に認識されアドレス指定されているかどうかを確認します。

VISAセッション

VISAセッションは、VISAリソースへの通信パスです。セッションは、viOpen()操作を使用して開きます。計測器へのVISA通信を実行する場合は、常にVISAセッションを開く必要があります。

VISAエイリアス

VISAエイリアスとは、VISAリソースのニックネームのことです。このエイリアスは、計測器を簡単に識別するためのわかりやすい名前です。 

VISA使用した一般アプリケーション

一般的なVISAアプリケーションでは、次の手順を行います。

  1. 特定のVISAリソースに対してセッションを開きます。
  2. そのリソースで通信設定を構成します(ボーレート終端文字などの設定)。
  3. 計測器に書き込みと読み取りを行います。
  4. リソースへのセッションを閉じます。
  5. 発生したエラーがあれば処理します。

計測器がシリアル、USB、イーサネット、またはVISAがサポートするその他のインタフェースタイプであれば、すべてこれと同じ手順を使用します。変更する必要があるのは、VISA Openの入力に書き込むVISAリソース名だけです。

LabVIEWのサンプル

このLabVIEWアプリケーションは、GPIB計測器へのセッションを開いて、*IDN?\nの書き込みを実行し、指定されたバイト数をデバイスから読み取ります。各VISA関数の説明については、VISA VIと関数をご覧ください。

VISA VIと関数

Visual C++のサンプル

 

Visual Basicのサンプル

NI-VISAダウンロードする

WindowsおよびMacオペレーティングシステムの場合、NI-VISAには独立したダウンロード方法があります。Linuxオペレーティングシステムの場合、NI-VISAは、NI Linuxデバイスドライバと呼ばれる他のNIデバイスドライバにバンドルされており、一度にダウンロードします。

オペレーティングシステムの互換性の詳細については、以下をご覧ください。

計測制御チュートリアル

計測器と通信するための段階的なチュートリアルについては、計測器インタフェースのタイプに応じて、以下の計測器制御チュートリアルをご覧ください。

計測制御フォーラム

NIは、計測器制御フォーラムでもサポートを提供しています。ユーザーの皆さまは広範なコミュニティに参加して、質問を投稿したり情報を共有したりできます。

関連情報

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