BIC社と一緒により優れたバッテリを製造する
高性能、高品質、安全なバッテリをコスト効率よく製造するため、NIとBattery Innovation Center (BIC) 社は協力して、最先端のバッテリテストを推し進めています。
自動車産業の歴史の中には、さまざまな技術革新があり、その度に、安全、信頼性が高く、消費者に認められた自動車へと大きな進歩を遂げてきました。これらの歴史的な達成としては、電動スターター、自動車組み立てライン、オートマティックトランスミッション、シートベルト、燃料噴射装置などがあります。電気自動車 (EV)、特にEVバッテリは、歴史の中で新しい偉業です。EVバッテリは、自動車産業の進歩を象徴するものであり、電動化の未来に不可欠なものです。
信頼性と安全性に優れたEVバッテリの需要はますます高まっています。EVにとって必要なコンポーネントであるだけでなく、EVの最も重要な革新の中心的役割として、バッテリテストの成功と製造の必要性がますます高まっています。それには、テストの安全性と信頼性、迅速な市場投入戦略、生産性を拡大する能力といったニーズがあります。
自動車業界で使用されるEVバッテリの製造の根本には、効率性、安全性、拡張性に優れたテスト方法が不可欠です。製品開発時間の50%以上がテストに費やされる場合があります。このスケジュールを最適化して、すべてのテスト手順と原則を効率的に実行して、EV業界が直面するすべての要求を満たしながら、高い品質基準を維持する必要があります。
NIはEVバッテリ開発のテスト段階に注目した戦略を開始し、すでに最前線のパートナーに優れた成果をもたらしています。NIのCEOであるEric StarkloffはNI Connect 2023で講演を行い、製造メーカーに向けて「私は26年間、特定の問題、つまりはテストによって製品とビジネスのパフォーマンスをどのように向上させ、競争上の優位性をもたらすことができるかという問題に取り組んできました」と語りました。 このことを念頭に、NIではソフトウェアを中核としたアプローチを通じて、テスト業界に (再び) 変革をもたらしています。
NIの業界初の大規模なバッテリテストのための包括的なソリューションであるソフトウェアを中核としたバッテリラボをご利用ください。これは、専用のエンタープライズグレードのソフトウェア、モジュール式でオープンなバッテリテストシステム、エキスパートエンジニアリング、統合サービスで構成されています。NIのテストリーダーは現在、このソフトウェアを中核としたアプローチを支持しています。これらのテストリーダーは、NIの電動化、テストの包括的なソリューション、拡張可能なソリューションへのアプローチ、業界におけるソフトウェアを中核としたラボの独自の位置付けのための投資のすべてが、EVバッテリメーカーを新たな次元へ引き上げる戦略であることを認識しています。
NI Connectでは、業界で他に類を見ないソフトウェアを中核としたバッテリラボについて、NIの経営陣から直接話を聞きました。柔軟で自動化されたインテリジェントなテスト戦略を提供するというNIの使命は、大きな成果を上げています。詳しく見ていきましょう。
NIは業界全体を変革する電動化への投資に努めています。電動化がEV車やバッテリの中心にあるというのは自明のように思われるかもしれませんが、確かにそのとおりです。実際、Vision Zeroの取り組みでは、ゼロエミッション車両の製造を成功させるための電動化を前面に押し出しており、電動化によってすべてが変わるでしょう。この取り組みは、テストが正確で、車両のすべての部品が協調して機能して初めて成功します。
NIでは、ソフトウェアを中核としたバッテリラボでのテストソリューションをサポートする企業の買収など、電動化を支援する実績が近年加速しています。このポートフォリオには、NH Research、Heinzinger Automotive、Kratzer Automation、SETなどが含まれます。これらのパートナーのソフトウェア機能とNIのPXIソリューションを組み合わせることで、NIは完全に統合された包括的なテストシステムソリューションを提供し、インテリジェントで自動化されたバッテリテストと検証で製造メーカーを支援しています。
こうした投資は、自動車を進化させるための鍵です。かつては完全に機械的だったコンポーネントも、現在ではセンサ制御になっています。自動車の重要なコンポーネントにバッテリのエネルギーを供給するには、半導体とセンサが必要です。NIのテストリーダーの1つである、磁気センシングおよびパワーICソリューションの世界的リーダーであるAllegro Microsystems社は、電気機械式ブレーキアプリケーションなどのテクノロジにNIのソフトウェアツールを使用することで、この投資から恩恵を受けています。
テストに対するソフトウェアを中核としたアプローチは、テストが重要なビジネス成果をもたらす戦略的な差別化要因であるという考えに基づいています。NIのエグゼクティブバイスプレジデント兼グローバルビジネスユニット担当ゼネラルマネージャであるRitu Favreは最近、成功するテストを行うための3つの重要なアプローチ (自動化、標準化、データ解析) を特定しました。これらすべてはNIの包括的なソリューションの中核をなすものです。
ソフトウェアを中核としたラボにより、エンジニアは施設やサプライチェーン全体を含む開発のすべての段階でデータを可視化できるため、グローバルなアプローチが実現します。このソリューションはクラウドベース、オープンで、エンタープライズグレードのソフトウェアによって動作します。このような顧客固有のソフトウェアは、通常は手作業で管理される作業を自動化および並列処理することができます。また、バッテリセルレベルでのテストに対するより詳細なアプローチも提供し、テストに対するセルの問題を特定します。テスタは結果として得られたデータを収集し、バッテリセル解析を継続的に進化させます。ソフトウェアにおけるこの種のデジタルトランスフォーメーションは、EVバッテリ業界を前進させるうえで重要です。
標準化が重要な要素であることに変わりはありませんが、ソフトウェアを中核としたラボの柔軟性は本質的に非依存的で、融通が利きます。このような非依存的なアプローチによって、テスト手法の進化に合わせて業界も進化できるため、NIはテストの差別化要因となります。
現在テストされ、生産されている大量のEVバッテリは10年前には信じられなかったでしょう。EVバッテリの生産収益は2021年から2022年にかけて3倍に増加しました。製造メーカーは、テストと製造に伴うプレッシャーを十分に認識しています。
数量の課題を悪化させているのは、バッテリのテストと検証にかかる時間です。多くの製造メーカーは、開発時間の少なくとも50%がテストに費やされていることを知っています。この数字が貴重な開発時間を消費し、すでに厳しい生産スケジュールをさらに悪化させています。
精度と迅速な生産開始の両方を必要とするテストに依存する業界において、品質を維持しながら結果を出すまでの時間を短縮する、ソフトウェアを中核としたバッテリラボだけが、EVメーカーが時代の先を行くのに十分な持続可能性を持ちます。
このタイプのバッテリラボが、絶え間なく連携し拡大を続けるEV業界において、貴重な資産であることは明白です。自動車業界では一般的に略号ACES (Autonomous、Connected、Electrified、Shared) が使われています。NIのソフトウェアを中核としたバッテリラボは、このビジョンと将来のEV開発において業界を一新するエンジンとなる可能性があります。