NI Grid Automation Systemとは、プログラム可能なインテリジェント電子デバイス (IED) で、変電所のモニタリングとアップグレードを簡素化しつつ、計測の可視性を高めるものです。 機能はソフトウェアで定義するため、市販されている固定機能のデバイスが不可能なことでも実行できます。
システムに予め搭載されている機能により、デバイスは最新のC37.118.1a-2014規格に適合するPMUとして使用できます。 そのためシステムを購入したら、即座に高速、高品質のフェーザデータをグリッドオペレータに送ることができます。
NI Grid Automation Systemは、グリッドオペレータが行うグリッド状態の計測に役立つ設計となっています
NI Grid Automation Systemの中核をなす技術は、高性能組込コントローラとモジュール式入出力を組み合わせたCompactRIOプラットフォームです。 NI Grid Automation Systemは、堅牢な金属ケースにCompactRIOシャーシ、6つのCシリーズ入力モジュール、電源、タッチパネルを収納しています。 コアコンポーネントは全て、NIで購入いただくか、サードパーティサプライヤから入手できます。 cRIO-9068 CompactRIOシャーシには、XilinxのArtix-7 FPGAチップに接合されたデュアルコアの667 MHz ARM Cortex-A9プロセッサが搭載されています。 シャーシにはCシリーズモジュール用のスロットが8つあり、モジュールからのデータは全てFPGAを経由してARMプロセッサに転送されますので、高性能の信号処理と制御が可能です。
NI Grid Automation SystemはCompactRIO組込コントローラを内部に搭載しています
プロセッサベース計測の分野で40年近い実績を持つNIは、その専門性とともにアナログ信号変換の最新コンポーネントを組み込んだNI Grid Automation Systemを開発しました。 NI Grid Automation Systemのアナログ入力は、50,000サンプル/秒でサンプリングする24ビットA/Dコンバータを採用しています。 高分解能と高速サンプリングという組み合わせは、高次高調波のような計測には重要です。 さらに、データを高精度でサンプリングすれば、現在はまだ知られていない解析上のニーズにも今後対応することができます。
120/240 VAC計器用変圧器への接続向けに開発されたNI 9242モジュール
NI Grid Automation Systemには、変電所のバイナリステータス入力用に、高電圧DCが8チャンネル搭載されています。 デバイスのデジタル入力は最大250 VDCに対応し、ON/OFFのしきい値を外部入力電圧を用いて設定できます (外部入力電圧の約2/3に設定されます)。
デジタル/GPSモジュール:
GPSモジュールとオンボードFPGAクロックが±100ns以内のデータ同期を実現 | NI 9437デジタルモジュールは、ON/FFのしきい値を外部入力電圧により設定でき、48 VDC、110 VDC、220 VDC入力に対応できます (バンクあたり1つ) |
NI Grid Automation Systemは、ソフトウェア定義の機能を念頭に設計されており、多くの機能はプログラムで定義できます。 NI Grid Automation Systemに搭載されているNI PMU機能は、LabVIEWのオープンプロジェクトとしてダウンロードやカスタマイズしていただくことができます。 コントローラのオペレーティングシステムはNI Linux Real-Timeです。 これは、NIの最新のCompactRIO/CompactDAQ組込コントローラ全製品に搭載されているLinuxと同じ確定性に優れたバージョンです。 開発者はオペレーティングシステムを利用できますので、Linuxコミュニティからさまざまなパッケージをインストールして、デバイスの機能を拡張することができます。
NI Linux Real-Time OSならLinuxエコシステムのコードの再利用が可能