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Morten Pedersen、CIM Industrial Systems A/S社
Siemens社は風力タービン制御システムのソフトウェアリリースを頻繁に行っており、そのリリースごとに実施する自動テストの改善が課題になっていました。また、風力タービン制御システムのコンポーネントを、その開発段階でテストおよび検証できるようにするという課題もありました。
Siemens社の風力タービン制御システムに組み込まれる制御ソフトウェア リリースをHIL (Hardware-in-the-Loop) テストによって検証することになりました。そのための新たなリアルタイムテストシステムを、NI TestStand、NI LabVIEW Real-Timeモジュール、NI LabVIEW FPGAモジュール、NI PXIプラットフォームを使って構築しました。
風力タービンシステムは、風力による運動エネルギーを電気に変換するために使用される、ローター、ギア、変換器、変圧器などのコンポーネントから構成されています。
制御システムは、数百個のI/O信号と複数の通信プロトコルを介して、これらのコンポーネントと通信しています。この制御システムの最も複雑な部分は、制御ループを実行する組込制御ソフトウェアです。
当社のソフトウェア開発者は、コントローラ用ソフトウェアの新バージョンを定期的にリリースします。そのため、これらのソフトウェアについてテストし、風力発電施設の環境で確実に動作することを検証する必要があります。ソフトウェアがリリースされるたびに、そのソフトウェアを現場で使用する前に工場受入テストを実施します。今回、新しいテストシステムを開発することで、この工程を自動化することができました。
当社の以前のテストシステムは10年前に開発されたもので、LabVIEWとは異なるソフトウェア環境およびPCIデータ収集ボードに基づいて構築されていました。従来のテストシステムのアーキテクチャと性能では、当社が新たに求めているテスト時間と拡張性の要件を満たすことができません。従来のテストシステムはメンテナンスが難しく、効率的なテストに必要な十分な自動化機能も備えていませんでした。また、テスト結果を自動的に文書化する機能や、テストケースのトレーサビリティも無く、必須のリモート制御機能も利用できません。さらに、この従来のHILテスト環境では、マルチコアプロセッシングをサポートしていなかったので、最新のマルチコアプロセッサの計算能力を活用することもできませんでした。
利用可能な技術をいくつか評価した結果、当社では、新しいテストソリューションを開発するためにLabVIEWソフトウェアとPXIベースのリアルタイム/FPGA (フィールドプログラマブルゲートアレイ) ハードウェアを選択しました。この技術によって、将来の技術要件に応えられる柔軟性と拡張性が実現されると確信しています。また、NIが提供する製品の品質とサービスのレベルが高いことも、この問題解決の決め手となりました。
当社は自社でテストシステムを開発できるだけの十分な開発経験を持っていなかったので、デンマークのCIM Industrial Systems A/S社に開発を委託しました。CIM Industrial Systems A/Sを選んだ理由は、テストエンジニアリングに関する技能があり、ヨーロッパで最も多くのLabVIEW設計者認定試験の合格者を抱えていたためです。CIM社によってこのプロジェクトは成功しました。当社は、CIM社のサービスを高く評価しています。
新しいテストシステムでは、実際の風力タービンのコンポーネントの動作をシミュレーションします。そのためには、テスト対象となるコンポーネントのシミュレーションモデルをLabVIEW Real-Timeシステムで実行し、テスト対象のシステムにシミュレーション信号を入力します。
ホストコンピュータは、直感的に操作できるLabVIEW GUIを備えており、ユーザは、パネル内のコンポーネントを動かして簡単に適応させることができます。また、Windows OSアプリケーションが2台の外部計測器と通信しています。ただし、これらの外部計測器はリアルタイム対応の計測器ではありません。
ホストコンピュータ上のこのソフトウェアは、PXI-1042Qシャーシに内蔵されたLabVIEW Real-Timeターゲットとイーサネット経由で通信します。LabVIEW Real-Timeはシミュレーションソフトウェアを実行します。このシミュレーションソフトウェアは、通常、並列に動作する20~25個のシミュレーションDLLで構成されています。このソリューションでは、ほぼすべてのモデリング環境 (NI LabVIEW Control Design and Simulation Module (現在はLabVIEWプロフェッショナル開発システムに含まれている) やThe MathWorks, Inc.Simulink®ソフトウェア、ANSI Cコードなど) で構築されたユーザモデルを呼び出すことができます。 当社のシミュレーションループの標準的な実行速度は24 msであり、将来の拡張のニーズに対応できる十分な処理能力を確保できました。
標準規格が確立されていないため、風力タービンではさまざまなカスタム通信プロトコルが使われています。FPGAベースのマルチファンクションRIOモジュールであるNI PXI-RシリーズをLabVIEW FPGAモジュールと共に使用すると、これらのプロトコルとの通信やシミュレーションをすばやく行うことができます。プロトコルとのインタフェースに加えて、このデバイスを使用して、磁気センサのシミュレーションや高精度の三相電圧および電流のシミュレーションを実行しています。他のFPGAボードは、システムのチャンネル数をさらに増やすために、Rシリーズ拡張シャーシに接続されています。リアルタイム制御で使用していたものと同じグラフィカル開発環境で、FPGA上で動作するソフトウェアを設計することができたため、生産性の向上に非常に役立ちました。
NIのテクノロジは、Siemens Wind Power社の新しいテストシステムの改善に重要な役割を果たしました。他社製のシミュレーションモデルをインポートできるLabVIEW開発環境のオープン性と、NIのリアルタイム/FPGAベースのハードウェアとの緊密な統合により、概念から機能的プロトタイプの作成までを短時間で進めることができました。LabVIEWは最新のマルチコアプロセッサを自動的に利用できるため、システム性能を最大限に引き出し、将来の拡張のニーズに対応できる十分な処理性能を確保することができました。最終的には、カスタマイズ性に優れたフロントパネルにより、直感的に操作できるグラフィカルユーザインタフェースを当社のエンドユーザ向けに容易に設計することができました。
Siemens Wind Power社の新しいテストシステムは、旧世代のシステムに比べてモジュール性に優れており、改善や適応、さらなる開発が簡単にできます。テスト対象のシステムの取り換えも、テストシステムアーキテクチャに変更を加えることなく、迅速に行うことができます。システムのリモート制御機能と簡素化された複製機能により、運用の拡大に伴って同じシステムを他の場所に柔軟に複製することができます。最終的には、ソフトウェアの新しいリリースを効率的に検証し、当社の実験室で特別な状況をテストできる環境が、シミュレータによって提供されます。さらに、開発対象となる新しい技術や概念をテストするためのツールも提供されます。
急速に進化する風力エネルギー技術に対する要求は増え続けています。LabVIEWによるグラフィカルシステム開発を利用することで、そうした要求に合わせて容易に拡張できるモジュール式ソフトウェアを設計することができます。将来的には、今後のテストニーズに応じられるように、シミュレーションを複数のLabVIEW Real-Timeターゲットに拡張することを計画しています。また当社では、NI TestStandを使用してテスト実行の自動化をさらに推し進める予定です。
Simulink®はThe MathWorks, Inc.社の登録商標です。
Morten Pedersen
CIM Industrial Systems A/S社
電話: +45 23 71 85 02
mpe@cim.as