PXIe-5164オシロスコープ。確度入力レンジ最大化。妥協最小化。

概要

NIは2014年、LabVIEW FPGAモジュールをターゲットにして再プログラムできるFPGAを搭載した最初のオシロスコープを発表しました。この計測テクノロジーの進歩により、デバイスや実験の変化に応じて、現在および将来のニーズを満たすようにオシロスコープの動作を定義することができます。ここで紹介するPXIe-5164オシロスコープは、再構成可能な仕様で前例のない計測確度、広い帯域幅、高い信号柔軟性を提供します。以下では、PXIe-5164再構成可能オシロスコープの特長、ならびに、これらの特長がテストのコスト削減、市場投入までの時間短縮、テスト歩留まりの向上にどのように貢献するかを説明します。

 

内容

PXIe-5164オシロスコープ

PXIe-5164は、業界最高の柔軟性を持つオシロスコープです。

PXIe-5164は、14ビットのアナログ/デジタル変換器 (ADC) を搭載した市販のオシロスコープとして、業界最高水準の帯域幅、広い入力電圧レンジ、広いオフセットレンジを達成しており、1台のPXIe-5164でさまざまなテスト・計測の課題に立ち向かうことができます。PXIe-5164には、以下のテクノロジが搭載されています。

  • 400 MHzの帯域幅で1 GS/sのサンプルレートに対応する2つの14ビットチャンネル
  • 2つのチャンネルはいずれもカテゴリIIに準拠し、100 Vppまでの電圧入力レンジ、最大±250 Vの調節可能オフセットに対応
  • 1つのPXIシャーシで、最大34チャンネルの並列多チャンネルシステムを構築
  • PCI Express x8 Gen 2バス通信に対応し、最大3.2 GB/sのストリーミングデータレートを実現
  • LabVIEWでプログラミングが可能なXilinx Kintex-7 410 FPGAを搭載し、フィルタやトリガ、カウンタなどのカスタム信号処理をユーザが独自に実装

 

この新型のオシロスコープはモジュール性を備えていることから、進化を続ける要件に常に追随することが可能であり、あらゆるテスト/測定システムにおいて、何ら妥協することなく活用できるソリューションです。

図1. PXIe-5164は、400 MHzの帯域幅、14ビットの分解能、250 Vの測定レンジを備えた高性能オシロスコープ。

PXIe-5164アナログ性能

アナログ設計は、オシロスコープの仕様の中でも軽視されがちです。しかし、帯域幅や有効ビット数 (ENOB) などの性能は、パスバンドフラットネス、ステップ応答、線形性、ノイズなどの特性に支えられています。PXIe-5164は、優れた設計のA/D変換器 (ADC) とアナログフロントエンドがもたらす広いダイナミックレンジ、高電圧レンジでも十分な分解能、デジタル信号処理 (DSP) を駆使した振幅・位相応答の安定化・等化処理平均化など、アナログ性能を高めるための要素が盛り込まれています。

設計ADCアナログフロントエンドもたらす広いダイナミックレンジ

PXIe-5164は、入力レンジを犠牲することなく、測定確度を最大化することを目指して設計されています。

PXIe-5164は、ADCとしてTexas Instruments社のADS54J40を使用しています。このADCは、ノイズのスペクトル密度の仕様が155.9 dBFS/Hzと、非常に低ノイズなものとなっています。PXIe-5164では、このADCの持つ低ノイズ性能をフル活用するために、特別なアナログフロントエンド回路設計を採用しました。図2 (a) は、典型的なオシロスコープのブロックダイアグラムを示しています。このオシロスコープでは、50 Ωの抵抗をフロントパネル入力と並列に接続するだけで、50 Ωモードを実現しています。しかしながら、信号は高入力インピーダンスおよび高電圧向けに最適化された1 MΩバッファを通過することとなります。1 MΩバッファは、50 Ωモードに対してノイズと歪み性能を最適化されているわけではないため、50 Ωモードでの信号品質は妥協の混じったものとなります。一方、図2 (b) は、PXIe-5164オシロスコープのフロントエンド回路設計を示しています。PXIe-5164では、50 Ωモードでは1 MΩセクションをバイパス可能し、低インピーダンスアンプセクションに直接接続可能となっています。このため、1 MΩステージを迂回でき、信号品質に影響が及ぶことはありません。また、図2 (b) の低インピーダンスアンプは、可変フィードバックを備えたシングルステージシリコンゲルマニウムADCドライバです。多くのオシロスコープ設計の特性である多段構造ではなく、単一のアンプを使用することで、ノイズと歪みを最低限に抑圧できるように設計されています。また、このシングルステージ回路でのゲイン制御は、減衰量を制御するのではなく、フィードバック係数を変えることによって実現しています。このような設計の恩恵によって、50 Ωモードで高い計測性能を引き出せるようになっています。

図2. 通常のオシロスコープの信号パス (a) が高インピーダンスや高電圧向けに最適化されているのに対し、PXIe-5164オシロスコープの信号パスは、50 Ωのパスで1 MΩバッファをバイパスし、ゲインステージを1つのみにすることで、測定確度を最適化するように設計されている。

PXIe-5164の優れたダイナミックレンジ性能は、一般的な8ビットの箱形オシロスコープと比較すると一目瞭然です。図3は、箱形オシロスコープとPXIe-5164オシロスコープを用いて、パルス上に重畳された通信信号を時間領域波形で示したものです。通信信号の振幅は、パルス振幅の1パーセントです。また、どちらの計測器も、レンジは2 Vpp、入力インピーダンスは50 Ωに設定されています。なお、箱形オシロスコープでは、SN比を向上させるために、帯域幅を250 MHzとし、収集モードは高分解能に設定されています。図3を見てわかるように、8ビットの箱形オシロスコープでは、キャプチャされた波形から通信信号を識別することは不可能です。一方、PXIe-5164オシロスコープでキャプチャされた波形からは、通信信号を容易に識別し、必要に応じてデコードすることが可能です。 

図3.一般的な8ビットの箱形オシロスコープの時間領域プロットとPXIe-5164オシロスコープとの比較。どちらもパルスに重畳された通信信号をサンプリングしている。8ビットの箱形オシロスコープでは通信信号を識別できないが、PXIe-5164では容易に識別・デコード可能

図4は、同じ箱形オシロスコープとPXIe-5164のスペクトル結果を示しています。入力は11 dBmの101 MHz正弦波です。どちらのオシロスコープも50 Ω、2 Vppレンジ、全帯域幅に設定され、高速フーリエ変換 (FFT) ポイント数は100万に設定されています。図4のように、PXIe-5164オシロスコープのノイズフロアは、箱形オシロスコープよりも22 dB低いことが確認できます。また、PXIe-5164データのFFTサイズを20万ポイントに縮小して、両方のFFTビン幅を同じ2.5 KHzに揃えた (サンプルレートは箱型オシロスコープが5 Gs/s、PXIe-5164が1 Gs/s) 場合でも、PXIe-5164は依然として16 dB低いノイズフロアを達成できます。加えて、PXIe-5164オシロスコープは、高調波歪み性能も優れています。

図4. PXIe-5164の周波数スペクトル計測性能を一般的な8ビットの箱型オシロスコープと比較すると、PXIe-5164は箱形オシロスコープよりも22 dB低いノイズフロアを達成できる。

高電圧計測性能と高分解能計測性能を両立

従来のオシロスコープでは、50 Ωの信号経路に過電圧保護を持たせるために、計測性能を犠牲にしてきました。PXIe-5164では、50 Ωパスに特別な直列保護回路 (図2 (b) の「Protection」とラベル付けされたブロック) を設けることで、50 Ωモードにおいて過電圧保護と計測性能の両立を図っています。

多くのオシロスコープでは、1つまたは複数の分圧器 (Compensated attenuator) を用いて高電圧レンジの計測に対応しています。この分圧器は、図2 (a) に示すように大型のメカニカルリレーを使って経路が切り替えられています。ただし、このリレーは、他のさまざまなオシロスコープ機能の実装に使用できる貴重なPCB実装面積を消費することとなります。対して、PXIe-5164では、メカニカルリレーを用いずにすべての切り替えを低電圧で行う独自技術 (特許出願中) を採用しています。PXIe-5164は、メカニカルリレーを使わずとも、最大+/-250 Vのオフセット電圧で最大+/-50 Vの電圧振幅を測定できます。

DSPによる振幅・位相応答安定平均化

オシロスコープのアナログフロントエンドの周波数応答とステップ応答に、ある程度のばらつきは避けられません。これに対して、デジタルフィルタリングを活用すれば、レンジ間、チャンネル間、モジュール間のばらつきに大幅な改善をもたらすことができます。さらに、デジタルフィルタリングを使用することで、パスバンドフラットネスや線形位相応答などの他の特性も調整可能です。PXIe-5164オシロスコープのFPGAには、16タップ有限インパルス応答 (FIR) フィルタがあり、ADCの出力がこのフィルタを通過するようになっています。フィルタのパラメータは工場出荷時または外部キャリブレーションを通じて決定され、動作時には、レンジ、インピーダンス、フィルタ構成に応じてEEPROMから読み出されたFIRフィルタ係数が適用されます。このキャリブレーション作業では、周波数特性がフラットなパワーメータの使用が規定されており、キャリブレーションによって+/-0.5 dB~330 MHzのフラットネスが保証されます。図5は、PXIe-5164オシロスコープの周波数応答の典型的な特性を示しています。ここでは、すべてのレンジ・チャンネルで基準からの偏差が0.022 dB未満です。また、図6は、測定されたステップ応答のサンプルです。波形の応答が対称になっていることから、位相特性が高い線形性を有していることがうかがえます。

図5. 帯域内 (DC-400 MHz) 以下での、50 Ωパスの一般的なPXIe-5164オシロスコープの周波数応答。単一モジュールのすべてのレンジとチャンネルの応答は重畳され、パスバンドの最大偏差は0.022。

図6. PXIe-5164オシロスコープの50 Ωステップ応答、全帯域幅 (400 MHz)。ステップ応答が対称であるのは、インラインFIRフィルタによって適用された最小位相特性の結果である。

ユーザプログラム可能FPGA

LabVIEWでユーザが自由にプログラミングできるPXIe-5164内蔵FPGAを活用して、計測時間の短縮とテストのコスト削減を実現

従来、商用の計測ハードウェアは機能が固定されているものでしたが、NIではFPGAテクノロジを利用したオープンで柔軟な測定デバイスを他に先駆けて提供しています。FPGAとは、カスタム信号処理や制御アルゴリズムを計測ハードウェアに直接組み込むようにカスタマイズできる高密度デジタルチップです。その結果、従来型の計測器とソフトウェア設計型計測器の両方の利点を兼ね備えた商用ハードウェアが実現します。固定の高品質計測テクノロジ、最新デジタルバスの統合、ユーザによるカスタマイズが可能な並列性の高いロジックによって遅延時間が短縮され、I/Oに直接接続されますので、インライン処理や緊密な制御ループが可能になります。

FPGAは、ASSP (特定用途向け標準品) やASIC (特定用途向け集積回路) で広く採用され、マーケットシェアが拡大しています。これは、他のデバイスに比べムーアの法則に対応しやすく、開発コストも大幅に削減できるためです。これにより、コンパクトで電力消費の少ないテストシステムの構築が可能になります。高機能のFPGAが市場に登場し、多くのデバイスのハードウェア機能の定義に使われていますが、搭載されているIPはベンダが定義したものであり、FPGAの能力をユーザが利用できるわけではありません。また、もしFPGAがユーザに対して開かれていたとしても、そのようなデバイスのプログラムにはハードウェア記述言語 (HDL) に関する専門的な知識が必要となり、デジタル設計のエキスパートでなければ到底カスタマイズは不可能でしょう。

LabVIEWソフトウェアを使用すれば、最新のFPGAテクノロジを利用することができます。グラフィカルプログラミングを使ってロジックを実装し、ハードウェア内の計測器の動作を定義したり、要件が変更された場合に計測器をプログラミングし直すことができます。LabVIEWのグラフィカルデータフローという特徴は、デジタルハードウェアに実装できる並列処理を実装/可視化するのに適しています。

ソフトウェア設計計測従来計測比較

測定システムのハードウェアに搭載されているユーザによるプログラムが可能なFPGAは、検査対象デバイス (DUT) の制御に要する遅延時間を削減したり、CPUの負荷を低減したりするなど、多くのメリットをもたらします。以下のセクションでは、さまざまな利用シナリオで得られるメリットを詳しく説明します。

オンボード条件判断機能によりテストシステム統合向上

多くのテストシステムでは、DUTはデジタル信号で制御しなければなりません。従来型の自動テストシステムには、DUTモードで順序付けを行う機能があり、必要な測定を各段階で実行していました。また、自動テスト装置 (ATE) システムに、受け取った計測値に従ってDUTの設定を切り替えていくという判断機能が組み込まれている場合がります。

どちらのシナリオでも、ユーザによるプログラミングが可能なFPGAを搭載したソフトウェア設計型計測器であればコストと時間が節約できます。計測処理とデジタル制御を1つの計測器に統合することで、システムにデジタルI/Oを追加する必要性が減り、計測用I/Oとデジタルの各計測器間でのトリガの受け渡しも不要になります。特に、受け取った測定データに応じて自動でDUTを制御する場合、ソフトウェア設計型計測器は計測器ハードウェアのみで処理が完結するため、遅延時間が非常に長くなるソフトウェアで条件判断を行う必要性が少なくなります。

ハードウェア測定実行することテスト時間削減テスト結果信頼向上実現

最新のソフトウェアベースのテストシステムでは、並列で実行できる測定の数に限界がありますが、ソフトウェア設計型計測器の場合、利用可能なFPGAロジックが許す限りいくつでも並列処理を実装できます。多数の計測やデータチャンネルを真のハードウェア並列処理によって扱うことができるため、計測対象を選択する必要がなくなります。そのため、ソフトウェア設計型計測器を使用すると、リアルタイムスペクトルマスクといった機能が劇的に高度な性能で実現され、しかも必要なコストは従来型の単体計測器と比べ数分の1で済みます。

また、並列化によって遅延時間を削減できるため、従来型のテストシステムで1回の測定を行う間に、ソフトウェア設計型計測器は数十回から数百回の測定を行えます。これにより、テスト結果の品質や測定の信頼性が向上します。

特殊トリガ処理カスタム実装すること関心ある現象着目

従来型計測器での低遅延時間トリガ動作のオプションは、使用するハードウェアによって決まります。ただし、ソフトウェア設計型計測器の場合、カスタムトリガ機能をデバイスに組み込むことで、関心のある状況だけを抜き出して評価することが簡単にできます。柔軟なハードウェアベースのトリガ機能を実装することで、カスタムスペクトルマスクやその他の複雑な条件を実装でき、重要な測定データをキャプチャする、あるいは他の計測器をアクティブ化するといったことが可能となります。 

LabVIEWによるカスタムトリガの作成とソフトウェア設計型オシロスコープ上への実装を5分間のWebイベントでご確認いただくか、実装についての説明をお読みください

リアルタイムオンボード信号処理CPU処理負荷軽減

大量のデータの処理は、最高性能の商用CPUでも大きな負荷となり、結果として複数のプロセッサを持つシステムが必要となったり、テスト時間が長くなったりします。ソフトウェア設計型計測器ならデータをハードウェアで事前処理できるため、CPUの負荷を大幅に軽減できます。FFT、フィルタ処理、デジタルダウンコンバージョン、チャネライゼーションなどの演算はハードウェアに実装されるため、CPUに渡され処理されるデータ量を減らすことができます。

ラピッドプロタイピンにより最終設計確か性能実現

エンジニアや研究者は従来、テストおよび測定アプリケーションのみに計測を使用してきました。しかし、モジュール式計測器のI/Oとソフトウェア間の接続によって、計測を利用した電子システムの試作が可能となっています。たとえば、デジタイザやRF信号アナライザを使用して高度なレーダシステムを試作することができます。ユーザがプログラム可能なFPGAに接続することで、高度なアルゴリズムを試作機にすばやく実装できるほか、POC (概念実証) にかかる時間も短縮できます。

重要アプリケーション分野

PXIe-5164オシロスコープはオープンでモジュール式のPXIアーキテクチャをベースに構築され、航空宇宙/防衛、半導体、研究/物理など高電圧測定と高レベルの振幅確度が求められるさまざまな応用分野で役立つ、ユーザがプログラム可能なFPGAを搭載しています。ユーザがプログラム可能なFPGAは、現在商用ハードウェアが提供できる最高レベルの柔軟性、性能、将来への順応性を提供します。システム要件が変更になっても、ソフトウェア設計型計測器はモジュール式I/Oのさまざまなコンポーネントにおいてソフトウェア資産を守ることができ、アプリケーションに応じて既存のI/Oを修正することができます。

図7. PXIe-5164オシロスコープは、PXIプラットフォーム上に構築された航空宇宙/防衛用モジュール式テストシステムを強力に補完する。

航空宇宙/防衛分野テスト

航空宇宙および防衛の分野では、テスタの寿命は40年以上に及ぶことがあります。旧式計測器の置き換えとテスタの再認定には、大きな費用がかかる場合があります。電圧レンジが高く、計測器の再構成が可能なPXIe-5164オシロスコープは、最新の設計を採用した信頼できるオシロスコープとしても、旧型計測器の代替品としても導入できます。トリガ、フィルタなど多くの仕様および特性がテスタの世代を通して一貫している必要があります。この最新型のオシロスコープではLabVIEWで作成されたハードウェアIPを再利用できるため、考えられる後方互換性の問題を軽減でき、認定と保守のコスト削減につながります。

NIの航空宇宙/防衛産業への貢献についてご覧ください。

エネルギー研究

エネルギーコミュニティは、広範囲の入力電圧レベルで高分解能の集録を実現するために共通バス上で同期される多くのチャンネルを評価しています。PXIe-5164を使用すると、単一のシャーシ内の複数のPXIモジュール (PXIe-5164オシロスコープは単一のシャーシ内で34個のチャンネルをサポート可能) や、NI-TClkや追加のタイミング/同期モジュールを使用する複数シャーシを簡単に同期できます。電圧レンジが高いため、PDV、プラズマ、トカマクアプリケーション向けのテストに特有の幅広い信号タイプの追加減衰の必要性が低減されます。他のアプリケーションには、部分放電の監視と解析が含まれます。高入力電圧レンジとユーザがプログラム可能なFPGAのメリットが得られ、ハードウェアの速度で測定の実行と処理を行うことができます。

NIによっていかにエネルギー産業がオペレーションを改善し、研究を促進しているかについてご覧ください。

半導体/自動車テスト

スマートカー向けのICの増加によって、自動車産業での半導体部品テストで電圧要件が高まっています。高電圧と高周波数で動作するデバイスは、将来のスマートビークルでますます一般的なものになっていくでしょう。さらに、PXIe-5164オシロスコープの高分解能は、SPIやCANなどのエンジン制御ユニット間でのノイズの多いバス通信を表示するためにも必要になります。また他のサブシステムのテストでも、従来型の高分解能ソリューションが現在提供している電圧入力よりもさらに高い電圧入力が必要になります。

製品バリアント

NIでは、広電圧レンジ、高分解能、低ノイズ性能を必要としつつ、必ずしも帯域幅やユーザがプログラム可能なFPGAを必要としないアプリケーション向けに、PXIe-5164の性能を抑えたバリアントを提供しています。

 

PXIe-5163

PXIe-5164

チャンネル数

2

分解能

14ビット

電圧レンジ

入力レンジ100 Vpp (オフセットあり、最大±250 V)

サンプルレート

1 GS/s

帯域幅

200 MHz

400 MHz

プログラム可能なFPGA

N/A

Kintex-7 410

オンボードメモリ

512 MB

1.5 GB

ステップ