図1: FlexRIOは、ユーザによるプログラムが可能なFPGAモジュールと高性能I/Oを組み合わせたものです。
FlexRIO FPGAモジュールは、PXI、PXIe、スタンドアロンフォームファクタのKintex-7 FPGAを備えています。各FPGAモジュールには、データストリーミング、I/O、DRAM、および高度なクロッキングとトリガ用の専用インタフェースがあります。PXI Express FlexRIO FPGAモジュールは、PCIe Gen 2テクノロジによりPXIeバックプレーンに接続し、最大3.2 GB/sのデータレートを実現します。一方、FlexRIO用スタンドアロンコントローラは、最大2.5 GB/sのデータストリーミングを実現する高速シリアルテクノロジを備えています。
図2: FlexRIO用スタンドアロンコントローラは、デプロイメントに最適化されたスモールフォームファクタのKintex-7 FPGAとデュアルコアARMプロセッサの両方を備えています。
アダプタモジュールインタフェースはNI製のカスタムアダプタモジュールに対応しています。アダプタモジュールインタフェースは、132ラインの汎用デジタルI/OがFPGAピンに直接接続されています。その他にも、電源、クロック機能、インタフェースの定義に必要な補助回路を搭載しています。これら132本のGPIOラインは最大400 Mビット/sのシングルエンド型操作用と最大1 Gビット/sの差動型操作用に構成することができ、最大で66 Gビット/s (8.25 GB/s) のI/O帯域幅を実現できます。すべてのラインは、インピーダンス整合のとれた同じ長さのトレースにより経路設定され、差動ペアも共に経路設定されます。
図3: PXIのFlexRIO FPGAモジュールはピアツーピアデータストリーミング技術を採用しています。
FlexRIO FPGAモジュールは、PXIe-5668Rベクトル信号アナライザなどのストリーミングに対応する他のモジュールとピアツーピア (P2P) データストリーミングを実行することもできます。これにより、ホストチップセットを介してデータを経路設定することなく、最大3.2 GB/sの速度でモジュール間のデータストリーミングが可能になります。P2Pにより、本来追加の処理のためにCPUを必要とする計測器で、時間や周波数領域におけるカスタムトリガとリアルタイム信号処理が可能になります。最大16のP2Pストリームに対応しており、ホストのCPUリソースに負荷をかけずに、複数のFPGAを使用した複雑な通信スキームを簡素化できます。この技術の詳細と、ストリーミングに対応しているデバイスの一覧については、技術資料ピアツーピアデータストリーミングの概要を参照してください。
表1は、FlexRIO FPGAモジュールのバス、FPGA、メモリのオプションを示しています。
モデル | バス/フォームファクタ | FPGA | FPGAスライス | FPGA DSPスライス | FPGAメモリ (ブロックRAM) | オンボードメモリ (DRAM) |
NI 7935R | スタンドアロン | Kintex-7 K410T | 63,550 | 1,540 | 28,620 kbit | 2 GB |
NI 7932R | スタンドアロン | Kintex-7 K325T | 50,950 | 840 | 16,020 | 2 GB |
NI 7931R | スタンドアロン | Kintex-7 K325T | 50,950 | 840 | 16,020 | 2 GB |
PXIe-7976R | PXI Express | Kintex-7 K410T | 63,550 | 1,540 | 28,620 kbit | 2 GB |
PXIe-7975R | PXI Express | Kintex-7 K410T | 63,550 | 1,540 | 28,620 kbit | 2 GB |
PXIe-7972R | PXI Express | Kintex-7 K325T | 50,950 | 840 | 16,020 kビット | 2 GB |
PXIe-7971R | PXI Express | Kintex-7 K325T | 50,950 | 840 | 16,020 kビット | 0 GB |
PXIe-7966R | PXI Express | Virtex-5 SX95T -2 | 14,720 | 640 | 8,784 kビット | 512 MB |
PXIe-7965R | PXI Express | Virtex-5 SX95T | 14,720 | 640 | 8,784 kビット | 512 MB |
PXIe-7962R | PXI Express | Virtex-5 SX50T | 8,160 | 288 | 4,752 kビット | 512 MB |
PXIe-7961R | PXI Express | Virtex-5 SX50T | 8,160 | 288 | 4,752 kビット | 0 MB |
PXI-7954R | PXI | Virtex-5 LX110 | 17,280 | 64 | 4,608 kビット | 128 MB |
PXI-7953R | PXI | Virtex-5 LX85 | 12,960 | 48 | 3,456 kビット | 128 MB |
PXI-7952R | PXI | Virtex-5 LX50 | 7,200 | 48 | 1,728 kビット | 128 MB |
PXI-7951R | PXI | Virtex-5 LX30 | 4,800 | 32 | 1,152 kビット | 0 MB |
表1: FlexRIO FPGAモジュールの比較
アダプタモジュールは、FlexRIOシステムの物理的な入力と出力を定義し、カードエッジコネクタを介してFlexRIO FPGAモジュールと通信します。各種アプリケーション用のアダプタモジュールを、NI、NIアライアンスパートナー、他社から入手できます。カスタムのアダプタモジュールが必要な場合は、FlexRIOアダプタモジュール開発キット (MDK) を利用して独自のアダプタモジュールを作成できます。
図4: NI、NIアライアンスパートナー、他社から、FlexRIO FPGAモジュールと通信するアダプタモジュールが提供されています。
NIのFlexRIOアダプタモジュールには、カスタムハードウェアを作成せずに計測をカスタマイズできる汎用I/Oが搭載されています。HDL設計の知識を必要としないシンプルなFPGAベースのプログラミングインタフェースと、開発を助けるLabVIEW FPGAサンプルが備わっています。こちらのページでは、FlexRIOアダプタモジュールの全製品をご覧いただけます。
他社製のFlexRIO用アダプタモジュールが加わることで、製品ファミリのI/Oの提供範囲が広がり、LabVIEW FPGAがさらに広範なアプリケーション分野で使用可能となります。通常、他社製モジュールには、カスタムモジュールとアプリケーションに特化したモジュールがあります。
FlexRIOアダプタモジュール開発キット (MDK) を利用すると、お客様のアプリケーションに合わせて独自のFlexRIOアダプタモジュールを開発することができます。ただし、開発にあたっては、電気的、機械的、アナログ、デジタル、ファームウェア、およびソフトウェアの各設計に関して検討する必要があります。上述のインタフェース以外にも、FlexRIOアダプタモジュールはおよそ6 Wの電力を要するほか、自己認識用のオンボードEEPROMを搭載し、以下の表2に示すI/O規格に対応しています。NI FlexRIOアダプタモジュール開発キットの詳細、およびどのような場合にこのキットを使用してカスタム計測器を作成するかについては、こちらをご覧ください。
図5: FlexRIOモジュール開発キットには、CADファイル、図面、ハードウェアとソフトウェアのドキュメント、エンクロージャ、FlexRIO R&Dによる設計レビューが付属しています。
1.2 V | 1.5 V | 1.8 V | 2.5 V | 3.3 V | |
LVTTL | — | — | — | — | ✓ |
LVCMOS | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
LVDS | — | — | — | ✓ | — |
表2: FlexRIOアダプタモジュールインタフェースでサポートされるI/O規格