NI VeriStandには、リアルタイムテストシーケンスを作成するための、高度な刺激プロファイルツールが用意されています。ステップベースのプロファイルに加えて、条件判断、サブシーケンス、さまざまなプログラミング構造を含む、複雑なリアルタイム刺激プロファイルを作成できます。こうした要素が統合された結果、リアルタイムテストを実行するための柔軟な環境が実現されています。ここでは、NI VeriStand刺激プロファイルエディタの環境と、リアルタイム刺激プロファイルの作成時によく使われる機能の一部をご紹介します。
NI VeriStand刺激プロファイルエディタは、NI VeriStandの外部で開いて設定できるソフトウェアです。そのため、NI VeriStandのシステム定義とユーザインタフェースを使用しながら、同時にテストプロファイルを作成することができます。NI VeriStand刺激プロファイルエディタは、リアルタイムシーケンスと刺激プロファイルという2つのメインコンポーネントで構成されています。コンポーネントが分かれているため、再利用が非常に容易なテストシーケンスを実現しながら、個別のテスト用のNI VeriStandシステム定義と強固に統合することができます。
リアルタイム刺激プロファイルのメインコンポーネントの1つが、リアルタイムシーケンスです。テストシーケンスはNI VeriStandリアルタイムエンジンにデプロイされ、さまざまなプログラミング構造を適用することができます。Whileループ、Forループ、変数、条件付き宣言などの機能に対応します。さらに、テストシーケンス内にサブシーケンスを作成してマルチタスクを導入することもできます。
図1: NI VeriStand刺激プロファイルエディタのプログラミング構造の概要
リアルタイムシーケンスでは、ループや条件付き宣言などのプログラミング構造に加えて、正弦波やノコギリ波などの一般的な波形を生成することができます。 さらに、数学関数や数式を使用して、さらに複雑な波形や信号も生成できます。
図2:使用可能なシーケンスと数式
リアルタイムテストシーケンスは、セットアップ、メイン、クリーンアップの3つのセクションで構成されます。セットアップは、シーケンス内の初期状態の設定に使用されます。 多くの場合、変数を目的の初期状態に設定したり、いくつかの予備的なシステム計測を実施したりすることがあります。 メインセクションは、大部分の刺激が生成されるセクションであり、固有のテストはここで実行されます。 メインテストが実行された後でクリーンアップが実行され、今後のテストに備えてテストシステムが既知の状態に設定されます。
図3:リアルタイムシーケンスの例
2番目のコンポーネントは、刺激プロファイル自体です。刺激プロファイルは、リアルタイムテストシーケンスの呼び出し、NI VeriStandプロジェクトのオープン/クローズ、データロギング、合格/不合格の判定を実行できるテストエグゼクティブとして機能します。また、リアルタイムテストシーケンスをシステム定義に関連付けて、システム定義に含まれるチャンネルデータをリアルタイムテストシーケンス内の変数にバインドすることも可能です。刺激プロファイルエディタを使用したNI VeriStandプロジェクトの制御方法の詳細については、VeriStandリアルタイム刺激プロファイルの作成に関するビデオをご覧ください。
リアルタイムテストシーケンスと同様に、刺激プロファイルにもセットアップ、メイン、クリーンアップの各セクションが含まれます。刺激プロファイルでは一般的に、セットアップとクリーンアップのセクションを使用してデータロギングやNI VeriStandプロジェクトを開いたり閉じたりするなどのタスクを実行します。これによりテストが自動化され、NI VeriStandワークスペースを手動で操作することなく、別の種類のテストに移行することが可能になります。
刺激プロファイルのメインセクションを使用して、リアルタイムテストシーケンスを呼び出すことがよくあります。複数のリアルタイムシーケンスを呼び出せるため、シーケンスを手動で切り替えなくても複数のテストを実行できます。リアルタイムシーケンスが刺激プロファイルから分離されるため、シーケンスのライブラリを作成して、それを複数のプロファイルで使用し、複数のテストステーションで共有することができます。図4では、データロギングと一連のリアルタイムテストシーケンスの呼び出しを含む刺激プロファイルの例を示しています。
図4:刺激プロファイルの例
プロファイルを作成した後、選択したシステム定義に基づいて、それをリアルタイムターゲットにデプロイできます。このプロファイルはそのリアルタイムターゲットで実行されます。Windowsホストコンピュータのプロファイルウィンドウに、プロファイルの現在の状態が表示されます。その後、選択したファイルパスにログが保存されます。
刺激プロファイルエディタは、リアルタイムシーケンスのデプロイだけでなく、テストの自動化を実行する場合にも使用できます。こうしたテストオートメーションは、CSVファイルに保存されたデータの再生、またはユーザがNI VeriStandのマクロ記録ツールで作成したマクロの再生によって実行されます。
VeriStandを使用して高速データ収集、自動車ネットワーク、FPGAベースの再構成可能なI/O用のリアルタイムテストアプリケーションを作成および構成する方法を学びます。このビデオには、ハードウェアの概要とVeriStandプロジェクトの作成方法の紹介が含まれています。システム構成ファイルを使用してデバイス、ネットワーク、カスタムプラグインコードなどをインポートする方法を学びます。さらにこのビデオでは、高速波形またはシングルポイント入力用にDAQチャンネルを追加およびカスタマイズする方法と、測定スケールを作成またはインポートする方法についても説明します。