Orazio Ragonesi、MicroNova AG
エンジンのHIL (Hardware-In-the-Loop) テストで使用するためのコンパクトで高確度のボードが必要。
NIのLabVIEW FPGAモジュールを使用してエンジンの包括的なHILテスト環境のモデルを構築することにより最大12 気筒のエンジンのデータをシミュレーションできる「エンジンHILシミュレータ」を開発する。
MicroNova社は、セグメントボディやインフォテインメント、シャーシ、パワートレイン用ECU (電子制御ユニット) 向けのテストシステムなど、車載分野向けのテストベンチ自動化 (HILシミュレーション) 用のターンキー型情報システムを提供しています。
MicroNovaは、自動化/シミュレーション分野で最も進んだエンジン/HILシミュレーションボードを開発しました。このボードは、革新的かつ柔軟でプログラミングが可能です。MicroNovaは、NI LabVIEW FPGAモジュールと NI PXI-R シリーズ再構成可能 I/Oモジュールを使用して、最大12気筒の直接燃料噴射装置のシミュレーションを行うボードを開発しました。このようなシミュレーションが可能になったのは画期的なことです。小型設計であるため、移動型の自動車テストに最適です。さらに、LabVIEWを使用することで、将来必要となることが予想されるさまざまなユーザインタフェースや機能の追加にも柔軟に対応でき、精度の更なる向上も可能となります。
エンジンHILシミュレータボードは、エンジン/HILシミュレータ全体の基礎になります。高速のエンジン信号をセンサで捕捉するのは非常に難しいため、弊社ではそのために特別なボードを開発する必要に迫られていました。センサで信号を捕捉した後は、ここで生成したエンジンデータを物理的に調整し、次のロジック処理につなげます。その後、ボード上で直接信号のサンプリングを行います。これには、エンジンの種類に応じて特別に開発されたソフトウェアモデルを使用します。これにより、特定のエンジンのシミュレーションを行うのに必要な制御/調節パラメータを確実に利用できるようになります。
クランクシャフトが傾くと同時に、システム内にあるI/OボードとCPUにトリガをかけ、システム全体でそれらの同期を図ります。それには、バスバックプレーン上の信号を使用します。また、これらの信号を使用することにより、外部の計測器 (例:オシロスコープなど) を制御することができます。
MicroNovaのボードは小型 (ヨーロッパの標準的なボードと同じ大きさ) であるにもかかわらず)、12気筒エンジンシミュレータで必要となるすべての要件を満たしています。必要とされているエンジン信号をすべて提供/再計測することができ、構成を変更するだけで、ボードを気筒数に対応させることができます。 このため、タイミングをずらすことで、同じボード上で、異なる構成を使用することも可能です。
MicroNovaののボードは、クランクシャフトの入力信号と最高4つまでのカムシャフトの信号を可変カムシャフト制御や回転数、カムシャフト調整による位置信号に合わせて生成することができます。
エンジン/HILボードはすべての燃料噴射時間と点火角をクランクシャフト角と同時に記録し、それらをHIL CPUのシミュレーションへの入力とします。エンジン/HILボードはアナログ/デジタル/パルス幅変調器 (PWM) をベースとしたインタフェースを使って入力信号を収集し、同じ種類のインタフェースを使って出力します。 ノック信号のシミュレーションは、最大6つある別々のセンサからの、回転数に基づいた信号出力をもって、ユーザが定義したノック間隔により、行われます。
MicroNovaのエンジン/HILボードは、その小ささという点において優れているだけではなく、その優れた確度においても抜きんでています。
アナログI/O用のデジタル/アナログ変換器 (DAC) の分解能は16ビットで、マルチプレクサを使用せず個別に動作します。そのため、すべてのチャンネルを使用した場合でも、信号をチャンネル間の分離が最大限に確保され、高品質の信号を出力することができます。入力と出力の間の変換にかかる時間が短いため、将来のアプリケーションのための高性能な予約が容易になります。
アプリケーション分野として、以下のような大小さまざまな大きさのエンジンに応用することができます。
V12エンジン。可変バルブアクチュエーション、非カーブ操作用カムシャフト調整機能あり、カーブ操作用スロットルバルブ2個、ノックセンサ6個、直噴。
直列6気筒エンジン。可変バルブアクチュエーション、非カーブ操作用可変カムシャフト調整機能あり、カーブ操作用スロットルバルブ1個、直噴。
4気筒/コモンレール/直列ディーゼルエンジン。ターボチャージャー、インタークーラー、スロットルバルブ1個。
V2エンジン。インテークパイプインジェクション、ノックセンサ2個、スロットルバルブ2個 (二輪車)。
LabVIEWを使用して開発したエンジン/HILボードは、システムに組み込みやすく、エンジン/HILシミュレータエンジンインタフェースとして驚くべき性能を備えています。構成することで、ほとんどすべての種類のエンジンにおいて、最高レベルの確度で高速のエンジン信号を柔軟に捕捉することができます。その結果、同一のシステムを使って効率よくこれらのテストを実施でき、エンジンコントローラテストの質を向上させることができます。
Orazio Ragonesi
MicroNova AG
Unterfelding 17
Vierkirchen
Germany
電話:49 8139 9300 0
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NIパートナーは、日本アライアンスプログラムに参加しているシステムインテグレータを中心としたパートナー企業であり、NIの代理店ではありません。