キャリブレーション
- 更新日2024-01-17
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キャリブレーション
PXIe-4112は外部キャリブレーションのみをサポートしています。
外部キャリブレーション
各電源またはSMUは、それぞれの仕様範囲内で限られた温度範囲および期間で使用されます。温度変化が起こったり期限が切れたりした場合、およびアプリケーションがより厳密な仕様を必要とする場合には、外部キャリブレーションが必要になります。
キャリブレーションと温度変動
システムが複数の計測器で構成されている場合、通気およびその他の要素によって温度上昇などが起こります。周辺装置による自己発熱、監視されていない製造現場の環境、および汚れたファンフィルタなどが要因となります。
計測器の以下の情報については、「PXIe-4112仕様」を参照してください。
- 推奨動作温度範囲
- キャリブレーション間隔
周囲温度の定義については、「PXIシステムの構築および保守のベストプラクティス」を参照してください。
周囲温度が指定の範囲外の場合、温度変動を補正するために必要な測定確度を把握する必要があります。温度範囲外での指定の確度を計算する方法の1つは、使用する温度でシステムの外部キャリブレーションを行うことです。不便ではありますが、外部キャリブレーションを行うことで、デバイスでキャリブレーション温度において十分な定格確度が得られます。外部キャリブレーションについての詳細は、ni.com/calibrationを参照してください。
温度範囲外での指定の確度を計算するもう1つの方法は、キャリブレーション温度範囲外で1℃上昇するたびに温度係数確度を加算することです。
以下の式は温度係数 (tempco) を表しています。
温度係数 = 確度仕様のX%/℃
たとえば、18℃~28℃の範囲で電圧確度が出力の0.05%+100 µVであり、温度係数が1℃につき確度仕様の10%と指定されている5 Vの計測器があると仮定します。前回の外部キャリブレーションが23℃で行われていた場合、この計測器の18℃~28℃の範囲における1年間の確度は以下の式で表されます。
5 Vの0.05% + 100 µV = 2.6 mV
周囲温度が38℃に変わると、デバイスは指定範囲より10℃高い環境で動作することになり、この場合の確度は以下の式で計算できます。
±(2.6 mV + ((2.6 mVの10%)/℃) * 10℃) = ±5.2 mV
38℃の周囲温度による誤差の合計は、指定誤差の2倍 (上記の例で5.2 mV、それに対し温度の影響を考慮に入れない場合は2.6 mV) になります。温度ドリフトによる追加の誤差を許容できない場合、必要な測定温度においてセルフキャリブレーションを行って確度を改善させることができるデバイスもあります。
計測器の外部キャリブレーション手順については、「PXIe-4112キャリブレーション手順」を参照してください。
確度
電源での測定/出力レベルは、実際の値もしくは要求値と異なる可能性があります。
確度は特定の測定/出力レベルでの不確実さを表し、以下のように、伝達関数からの偏差として定義されます。
y = mx + b
m = システムの理想ゲイン
x = システムへの入力値
b = システムのオフセット
この例を電源の信号測定に適用した場合、yはxを入力とするデバイスから取得した読み取り値で、bは測定を開始する前にゼロに戻すことができるオフセット誤差です。m が1でb が0の場合、出力測定値は入力値と等しくなります。mが1.0001の場合、理想値からの誤差は0.01%になります。
また、確度を表すもう1つの一般的な単位としてppm (百万分率) があります。以下の表は、ppmからパーセントへの換算を示します。
| ppm | パーセント |
|---|---|
| 1 | 0.0001 |
| 10 | 0.001 |
| 100 | 0.01 |
| 1000 | 0.1 |
| 10000 | 1 |
大半の高分解能、高確度の電源では、確度はオフセット誤差とゲイン誤差の組み合わせとして表されます。これらの2つの誤差が追加されて、特定の測定における全体の確度仕様が決定されます。NI電源は通常、絶対単位 (mVまたはμAなど) でオフセット誤差を指定します。また、ゲイン誤差は読み取り値もしくは要求値のパーセントで表されます。
確度を計算する
以下の例は、確度仕様が0.03% + 0.4 μAの計測器で、2 mAレンジを用いて1 mAの電流を測定する際の確度計算方法を示しています。
確度 = (0.0003 × 1 mA) + 0.4 μA = 0.7 μA
したがって、読み取り値1 mAは、実際の電流値の±0.7 μA以内です。